日朝協議:北朝鮮、米との関係改善に日本の仲介を期待 | trycomp2のブログ
日朝包括並行協議が4日北京で始まった。国交正常化交渉を最優先する北朝鮮は、小泉純一郎首相の任期中に同交渉に道筋をつけると同時に、協議に積極的に応じることで対立する米朝関係の打開に向け日本の仲介を期待する。一方、日本は国交正常化の前提となる拉致問題で北朝鮮の姿勢転換を促したい考えだ。「日朝平壌宣言」(02年9月)を再確認したうえで、双方が互いの立場の溝を埋めて、具体的進展につなげられるか注目される。
北朝鮮は国交正常化交渉を含む協議が始まったことで、日朝平壌宣言以後、拉致問題によって事実上押さえ込まれていた過去の清算を前進させる機会をようやく得た。北朝鮮にとって自国の経済再建には日本からの早期の経済協力が不可欠。今回の協議で巨額の資金協力が期待できる国交正常化への道筋をつけたい考えだ。朝鮮中央通信は4日、宋日昊(ソンイルホ)外務省大使ら北朝鮮側代表団の平壌出発を報じたが、渡航目的を「国交正常化のための政府間対話」とだけ紹介。宋大使は協議終了後、記者団に関係改善の必要性を改めて強調した。
今年に入って北朝鮮は過去の清算を求める主張を異例のハイペースで発表した。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は1月25日付では「日本が過去にわが国とわが民族に及ぼした罪業をきれいに清算する問題が基本」とする金正日(キムジョンイル)総書記の言葉までも掲載し、日朝協議では過去清算が不可避な問題であるとの立場を改めて強調した。
北朝鮮では年明け早々、金総書記が中国南部の最先端企業を多数視察したことから、新たな経済改革に踏み切る可能性が浮上した。その一方、大規模な物資・サービスを確実に調達できるのは当面、日本との正常化による経済協力しかないという事情もある。だが、正常化を急ぎたい北朝鮮の前には依然、拉致問題の解決が立ちはだかっている。北朝鮮側は「日本は非本質的なものを前面に打ち出している」(1月18日付労働新聞)などと、拉致問題を最重点に掲げる日本の姿勢を繰り返し批判し、拉致問題による国交交渉への影響を最小限に押さえ込みたいとの考えがある。
そもそも拉致問題は、金総書記が軍部の反対を押し切って、国家のメンツを損ねてまで謝罪したという経緯がある。だが、その後、日朝関係は進むどころか急速に冷え込み、結果的に金総書記の威信が傷つけられた形となった。北朝鮮としては拉致問題を「日本側による関係改善を遮断させる行為」と突っぱねざるを得ないというのが実情。
北朝鮮の核問題に関する6カ国協議は、北朝鮮が米国の金融制裁を理由に参加を拒み続けている。北朝鮮としては今回の協議で、米国の最大のパートナー・日本との折衝を通して制裁解除への突破口を探りたいとの思惑も込められているようだ。【北京・西岡省二】
◇日本 「拉致」姿勢展開迫る構え
今回の協議をめぐっては、小泉首相や麻生太郎外相らが事前に「難航」に言及するなど、日本政府内に、拉致問題や国交正常化交渉が大きく前進するとの見方は少ない。具体的成果がなければ、国内の批判が高まるのは確実だが、日本側は小泉首相の任期中に国交正常化に道筋をつけたいとの意向は日朝双方に共通しているとみている。実質的進展がなくても、対話は継続する考えだ。
北朝鮮は、5日に拉致協議を国交正常化交渉に先行して開くことに関し「日本が拉致問題を重視していることは理解している」と了承したという。外務省幹部は「拉致問題から始めることは、それなりに意味がある」と語り、北朝鮮の譲歩への期待感も出ている。日朝平壌宣言の履行を再確認できたことも一定の評価をしている。
だが拉致問題の協議で北朝鮮が、従来の「解決済み」との姿勢を転換して「具体的な措置」を示すかは不透明だ。日本は北朝鮮が重視する過去の清算で突っ込んだ協議に応じる姿勢を示すことで、拉致問題での姿勢の転換を迫る構えだ。【北京・中田卓二】
毎日新聞 2006年2月4日 19時54分 (最終更新時間 2月5日 0時49分)
日朝協議:北朝鮮、米との関係改善に日本の仲介を期待-アジア:MSN毎日インタラクティブ
