与党の対北人権法案「脱北者支援除外」 危険人物侵入?懸念強く見送る | trycomp2のブログ

与党の対北人権法案「脱北者支援除外」 危険人物侵入?懸念強く見送る

 北朝鮮による拉致をはじめとする人権侵害に対する厳しい措置を定めた、与党の「北朝鮮人権侵害問題対処法案」(人権対処法案)の国会審議が近く始まる。北朝鮮の人権侵害への国際的な圧力が強まる中、「人権問題は北朝鮮の弱点。ダメージがあるはず」(外務省筋)と期待されている。ただ脱北者の受け入れ・支援を法案に盛り込むことは見送られた。テロリストの侵入防止策などが解決しなかったためで、課題を残した「見切り発車」となった。
 「米国と横並びに脱北者の受け入れを入れるべきだとの議論は最近まであったが、そこまで踏み込むと面倒なことにもなりかねない」
 与党幹部は、国会提出した人権対処法案に脱北者支援を盛り込むかどうかを最後まで検討していたことを打ち明ける。
 国連が昨年十二月の総会で北朝鮮による外国人拉致を非難する決議を採択。米国も拉致問題に強い関心を示す一方、今月五日、脱北者六人を難民として初めて受け入れるなど「人権圧力」を強めている。
 こうした国際情勢の変化を追い風に、対北朝鮮圧力を支援する同法案への期待も高まった。与党内には「脱北者支援は北朝鮮の人権侵害状況をアピールする有効な手段」として経済制裁と並ぶ法案の柱とする動きが強まっていた。
 しかし、国内の受け入れ態勢には問題が多いのも事実だ。
 脱北者は現行法では難民として扱われるケースが多いとみられる。日本の難民受け入れは、昭和五十七年から昨年までで三百七十六人で、他国に比べて難民認定が厳しい。テロリストやスパイが紛れ込む可能性があるため、厳格な審査を課しているためだ。
 法案づくりの過程では「脱北者の場合はなおさら、その可能性が高いのではないか」「受け入れた後に当局が監視を続けるわけにはいかない」などの声が出たという。
 「脱北者が日本の在外公館に駆け込んでも保護、収容する施設とスタッフが十分でない」(脱北者支援組織)という事情もある。
 政府は「これまで数十人を受け入れている」(外務省筋)と強調するが、いわゆる「日本人妻」など日本国籍を持つ人や戦後の集団帰国で北朝鮮に渡った人ばかり。
 結局、「脱北者を出さないように北朝鮮の人権状況を改善させることが主眼」(与党関係者)とし、経済制裁のみの法案となった。
 一方、民主党が二月に国会提出した北朝鮮人権侵害救済法案は脱北者を「難民に準じた扱いをする」ことで、日本の定住資格を与える条項を盛り込んだ。
 衆院拉致問題特別委員会での審議では、脱北者支援が大きな争点になりそうだ。
(産経新聞) - 5月14日2時59分更新
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 与党の対北人権法案「脱北者支援除外」 危険人物侵入?懸念強く見送る