【社説】金英男さん親子の対面、拉致問題への対応変える契機に | trycomp2のブログ

【社説】金英男さん親子の対面、拉致問題への対応変える契機に

 北朝鮮は8日、「最近、該当機関が(1978年に拉致された)金英男(キム・ヨンナム)氏(44)の消息を確認した。(今月末の)金剛山離散家族特別対面行事の際、金英男氏と韓国側の母親との対面を準備することにした。韓国内部で問題が発生することのないよう、韓国当局が責任をもって対処することを望む」とした。

 金さんの母、崔桂月(チェ・ゲウォル)さん(82)は「とてもうれしいし、感謝している。息子に会ったら、抱いてなでてやりたい」と涙声で話した。

 崔さんは高校生の時に海水浴場で行方不明となった金さんができ死したと思いこみ、以来30年近く法事を行ってきた。崔さんが今どんな心情かは、子をもつ親なら誰でも想像できるだろう。

 崔さんが、金さんが生存していることを確認し、短い時間とはいえ対面できるようになった背景には、日本人拉致被害者を探し当て、連れ戻そうという日本政府の粘り強い努力があった。

 日本政府は1977年、中学生の時に北朝鮮に拉致された日本人、横田めぐみさんの消息を追う過程で、横田めぐみさんが韓国人拉致被害者と結婚したという情報を入手し、4年余りに及ぶDNA鑑定などの確認作業を通して、横田めぐみさんの夫が金さんであるという事実を突き止め、今年4月、韓国政府にこの事実を伝えた。

 北朝鮮が今回金さんと崔さんの対面を許可することにしたのも、金さんを通じて「めぐみさんは死んだ」という話をさせたいためだと日本政府は分析している。横田めぐみさんの生存確認に全力を注ぐ日本政府をのけ者にしようという意図があるとの見方だ。

 「表だって北朝鮮を刺激してしまうと、拉致問題の解決は困難になる」と主張してきた韓国政府は、これまで北朝鮮に対し、拉北者(北朝鮮による拉致被害者)という表現さえまともに持ち出せないできた。

 むしろ「表だって北朝鮮を刺激した」日本政府のほうが、北朝鮮に自国民の横田めぐみさんの件だけでなく、金さんの拉致についても認めさせ、結果的に今回の家族対面まで引き出した。

 韓国政府は、今回の対面が韓国側の努力と北朝鮮側の好意のおかげで実現したかのように見せかけ、国民をだましてはならない。政府は正直に今回の対面実現の過程で何の役割もできなかった点を反省し、拉致問題解決のための政策を原点から見直すべきだ。

 そうしてこそ、485人に及ぶ拉致被害者の全員について消息を確認し、家族との再会を実現させるためのスタートラインに立てるのだ。
朝鮮日報 Chosunilbo (Japanese Edition)