所信表明演説全文(3)「拉致解決へ鉄の意志」
■主張する外交を展開する
私は、今後とも主張する外交を展開します。
世界の平和と安定なくして、日本の安全と繁栄はありません。米国同時多発テロで、24名もの日本人の尊い命が奪われたことを忘れてはなりません。テロとの闘いは続いています。テロ特措法に基づく海上自衛隊の活動は、諸外国が団結して行っている海上阻止活動の不可欠な基盤となっており、国際社会から高い評価を受けています。灼熱(しやくねつ)のインド洋で黙々と勤務に従事する自衛隊員こそ、世界から期待される日本の国際貢献の姿です。ここで撤退し、国際社会における責任を放棄して、本当にいいのでしょうか。引き続き活動が継続できるよう、ぜひともご理解いただきたいと思います。
北朝鮮のミサイル発射や核実験声明の衝撃を忘れた方はいないでしょう。わが国を取り巻く安全保障の環境は、依然として厳しいものがあります。官邸の司令塔機能や政府の情報機能の強化をはじめ、わが国の安全保障の体制を再構築する必要があります。在日米軍の再編については、沖縄など地元の切実な声によく耳を傾け、地域の振興に全力をあげて取り組むことにより、着実に進めてまいります。
北朝鮮の拉致、核、ミサイルの問題の解決に向け、国際社会との連携を一層強化してまいります。すべての拉致被害者が帰国を果たすまで、鉄の意志で取り組んでまいります。
■環境で世界を主導する
地球温暖化問題は、人類の生存にかかわる、世界共通の課題です。私は、ハイリゲンダム・サミットにおいて「美しい星五〇」を提案し、すべての主要な温暖化ガス排出国が参加できる枠組みの考え方について、理解を得ました。環境に関連する技術はわが国が世界に誇るべきものです。省エネルギー技術の海外への普及促進など、環境を経済成長の制約ではなく糧とする、日本ならではの環境と経済の共存を実現します。
来年開催される北海道洞爺湖サミットで、さらなる前進が得られるよう、引き続き、リーダーシップを発揮してまいります。
■むすび
厳しいご批判を頂いた政治資金の問題につきましては、なお一層、透明性を高めていくことが不可欠です。政治資金規正法の改正に向け、各党各会派や国会において十分なご議論をいただきたいと思います。内閣としても、政治に対する国民の信頼を一刻も早く取り戻すため、全力をあげて取り組んでまいります。
国の姿、かたちを語る憲法については、国民投票法の成立により、改正に関する議論を深める環境が整いました。今後とも、国民の皆様の期待に応える議論が行われることを希望します。
本日、私は、自らの信条、思うところを、率直に述べさせていただきました。これからも、国民の皆様からのご意見を十分受け止め、政策をしっかりと説明しながら、国政に邁進(まいしん)してまいります。
私の目指す政治とは、わが国を取り巻く厳しい環境変化に対応しながら、日本が本来持っていて、今も生活の中に息づいている、自律の精神、他者への思いやり、温かさといった価値を守り、伸ばしていくこと。そして、国民一人一人が、日々の生活において、真の豊かさ、潤いを実感できるようにすること。すなわち、「美しい国」創りを進めていこうとするものであります。50年後、100年後のあるべき日本の姿を見据え、原点を決して忘れることなく、全身全霊をかけて、内閣総理大臣の職責を果たしていくことをお誓い申し上げます。
国民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を、心からお願い申し上げます。
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