74年夏までに北朝鮮へ拉致 渡辺さん母子失跡事件
一九七三年に渡辺秀子さん=当時(32)=と子ども二人が失跡した事件で、女工作員(59)らが七四年五月から同年夏にかけて、福井県の海岸から工作船で子ども二人を北朝鮮に拉致したとみられることが九日、分かった。
警察当局は女工作員が社員として勤めていた対日工作拠点の貿易会社「ユニバース・トレイディング」(東京、既に解散)の関係者から当時の事情を聴き、二人が拉致された経緯や時期について、裏付け捜査を進めている。
また、渡辺さんが七三年十二月、北海道の実家に「今は大阪にいる」と電話で連絡したほか、七四年三月にも友人に「福井にいる」と連絡してきたことも判明。
警察当局は、渡辺さん母子の失跡発覚を遅らせるため 、女工作員らが電話をかけさせたとみており、母子は七三年十一月ごろには事実上監禁されていた可能性もあるとしている。
これまでの調べなどでは、渡辺さんは夫が行方不明となり、七三年九?十月、夫が社員として勤めていた同社周辺を捜していた。女工作員らは埼玉県内に住んでいた母子を誘い出し、東京都目黒区内のマンションに監禁。七四年にいったん三人を北朝鮮に拉致しようとしたが失敗し、渡辺さんだけを殺害、子ども二人を福井県から連れ去った疑いが持たれている。
中国新聞ニュース