1年ぶり拉致専門幹事会 人権大使任命 人権攻勢、北に圧力 | trycomp2のブログ

1年ぶり拉致専門幹事会 人権大使任命 人権攻勢、北に圧力

東アジアめぐり中国牽制も

 政府は六日、北朝鮮による日本人拉致事件などの交渉にあたる「人権担当大使」に斎賀富美子・駐ノルウェー大使を充てる人事を決めたほか、関係省庁が拉致問題の解決策を検討する「拉致問題専門幹事会」(議長・鈴木政二官房副長官)の会合を約一年ぶりに開いた。膠着(こうちゃく)状態にある拉致問題打開に向け、「圧力」を北朝鮮にかけ、包囲網を敷く姿勢を鮮明に示したものだ。同時に、十四日にマレーシアで初めて開かれる東アジア首脳会議で、東アジア共同体構想で主導権を握ろうとしている中国を「人権」カードで牽制(けんせい)しようという小泉純一郎首相の戦略もある。

 「人権問題という観点からも北朝鮮に対し、拉致問題の解決を迫るという国際協力の構築に努力してもらいたい」

 安倍晋三官房長官は六日の記者会見で、自らの指示で新設した人権担当大使に就く斎賀氏の任務の「重さ」をこう強調してみせた。

 政府は大使に併せて山中●子外務政務官を、拉致被害者家族への対応を担う人権担当政務官とする人事も決めた。

 「人権大使」の新設は、米政府が八月、北朝鮮人権担当特使を設け、ジェイ・レフコウィッツ元大統領次席補佐官を任命、国連総会第三委員会が十一月に北朝鮮による外国人拉致を「組織的で重大な人権侵害」と非難する決議を採択したことが後押しとなった。

 官邸筋は「大使ポストを設置しただけで北朝鮮への圧力になる」とみており、事実、北朝鮮は敏感に反応した。

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の内閣などの機関紙「民主朝鮮」は六日、「人権担当大使」新設について「米国に追随して日本が何かを得られると打算するのは恥も知らない者の妄動」と批判するなど神経をとがらせている。

 こうした中、大使の人選を急いだのは、八日からソウルで開催される大規模な北朝鮮人権国際大会に“デビュー”させる狙いもあるが、「人権カードを北朝鮮だけでなく、中国にも向ける」(官邸筋)との計算が働いている。

 経済成長を背景に軍拡を続ける中国は十四日の東アジア首脳会議をにらみ、東アジア地域での主導権確立を照準に外交攻勢を展開。将来の東アジア共同体構築に向け、米国参加も念頭に首脳会議のメンバーを増やしたい日本に対し、中国は参加国拡大に反対の立場をとり、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国に同調を働きかけている。

 日本は中国ペースで枠組みづくりが進むことに警戒感を強めており、「中国が最もいやがる人権や民主化を積極的に掲げ、東アジア地域協力の基本理念として確認し合う重要性を訴えていく」(外務省筋)ことで、中国主導の枠組みづくりにブレーキをかける戦略だ。

 これに対して中国は、東アジア首脳会議にあわせた日中韓三国首脳会談の開催を“拒否”。同会議を前に日中両国は激しい火花を早くも散らしている。

●=火へんに華
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