「拉致」の矢倉さんか 調査会が写真公表

北朝鮮による拉致被害者を支援する「特定失踪(しっそう)者問題調査会」(荒木和博代表)は九日、同調査会が「拉致された疑いが濃厚」としている鳥取県米子市の矢倉富康さん=一九八八年失跡、当時(36)=によく似た男性が写った写真のコピーを公表した。写真は今年三月に平壌市内で撮影され、専門家が鑑定した結果、本人である可能性が高いという。
東京都内で記者会見した荒木代表の説明によると、写真は今年四月に発売されたミニコミ誌の旅行記の隣に掲載され、撮影期日は三月十五日、撮影場所は平壌の高麗ホテル。日本人、北朝鮮人合わせて六人が写っている。
ミニコミ誌の読者から先週、調査会に情報が寄せられ、東京歯科大の橋本正次教授が鑑定した結果、左端に写っている男性がほお骨、耳、指の形、鼻筋の細さなど矢倉さんの身体的な特徴と一致点が多く、荒木代表は「本人の可能性が極めて高いと確信した」と述べた。
旅行記の執筆者も写真に写っており、矢倉さんとよく似た男性は通訳として紹介されたらしい。
調査会は十日にも政府、与野党に対し、事実を確認し、救出に向けた対応方針を打ち出すよう要請する。
矢倉さんは八八年八月二日、一人で日本海に出漁したまま消息を絶ち、同月十日に竹島沖で漁船だけが見つかった。調査会は今年六月、矢倉さんと米子市の古都瑞子さん=七七年失跡、当時(47)=の二人を「拉致濃厚者リスト」に加えた。
「拉致」の矢倉さんか 調査会が写真公表