北朝鮮核:燃料棒全量再処理か 寧辺貯蔵施設に見当たらず
【ウィーン会川晴之】北朝鮮の寧辺(ニョンビョン)の核燃料棒貯蔵施設に、使用済みの核燃料棒が一本も保管されていないことが2日わかった。同施設を訪れた国際原子力機関(IAEA)のハイノネン事務次長が確認、IAEA筋が毎日新聞に明らかにした。北朝鮮が、合計1万6000本の使用済み核燃料棒をすべて再処理して核兵器の原料となるプルトニウムを抽出した可能性のほか、貯蔵施設以外に移設した可能性も残る。IAEAは、北朝鮮との今後の協議で実態を把握する方針だ。
寧辺の5000キロワット黒鉛減速炉は、8000本の核燃料棒を使用する。02年12月に北朝鮮がIAEA査察官を国外追放した際には、8000本の使用済み核燃料棒が貯蔵施設に保管され封印されていた。北朝鮮は封印を解いて核燃料棒を再処理施設に移管し、03年5月に再処理を終えたと発表している。
米民間シンクタンク「科学・国際安全保障研究所」のオルブライト所長は、この8000本の使用済み核燃料について「核兵器4~5個分に相当するプルトニウム約25キログラムが含まれていた」と分析している。
北朝鮮は03年1月、新たに核燃料棒を黒鉛減速炉に装てんして運転を再開、再び抜き出して05年5月に再処理を実施したと発表している。これが事実とすれば、合計1万6000本の使用済み核燃料棒を全量再処理したことになるが、訪朝した米国の科学者らが「核燃料棒貯蔵施設には核燃料棒は無かった」と証言した以外は、これまで確認が取れていなかった。
IAEAのハイノネン事務次長ら実務代表団は28~29日の2日間、停止・封印作業の準備のため寧辺の核施設を訪問、黒鉛減速炉や核燃料棒貯蔵施設などの施設を視察した。ただ、寧辺には100を超す建物があると言われ、全容把握にはほど遠い状況にある。
毎日新聞 2007年7月3日 15時00分
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