米北朝鮮担当特使:近く辞任 交渉の影響懸念 | trycomp2のブログ
【ワシントン笠原敏彦】米国務省のデトラニ北朝鮮担当特使(大使級)が近く辞任することが28日、明らかになった。北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で今年9月の共同声明採択に貢献した同特使の突然の辞任で、米国の今後の対北朝鮮交渉に影響を与えることが懸念される。後任は未定。
国務省当局者が毎日新聞に明らかにした。6カ国協議の米次席代表を務めるデトラニ特使は1月3日付で辞任する。公式の理由は、米情報機関を統括するネグロポンテ国家情報長官のもとへの転出だが、6カ国協議の本格交渉入りを前にした突然の辞任は異例と受け止められている。
ブッシュ政権内では、北朝鮮への軽水炉提供問題に言及した共同声明に強硬派が反発。米首席代表のヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)やデトラニ特使ら合意をけん引した国務省の対北朝鮮穏健派との対立が伝えられている。
デトラニ特使は米中央情報局(CIA)で幹部職を務めた後、03年11月に国務省入り。北朝鮮担当特使として「ニューヨーク・チャンネル」を通した北朝鮮との接触で7月の約1年ぶりの6カ国協議再開に道筋をつけたほか、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の米国理事も務めた。
同特使辞任後、フォスター朝鮮部長が職責を兼務する。北朝鮮担当特使では、前任のプリチャード氏も政策上の対立などから辞任している。
◇6カ国協議関係者にも波紋
【ワシントン笠原敏彦】米国務省のデトラニ北朝鮮担当特使が辞任し、ネグロポンテ国家情報長官のもとへ転出することは「通常の異動ではない」(国務省筋)ため、6カ国協議関係者にも波紋を広げている。真意は不明だが、9月の第4回協議で北朝鮮の核廃棄に向けた共同声明に合意しながら、その後の強硬派の揺り戻しで「一貫した対北朝鮮政策が取れない米政府」(外交筋)の内情を露呈する辞任劇との見方が強い。
ワシントンの外交筋の間に最近、国務省で北朝鮮政策に携わる複数の幹部が辞職するとの情報が駆け回った。その背景で指摘された主な理由が、共同声明採択後のホワイトハウス・国家安全保障会議(NSC)を中心にした強硬派の「巻き返し」が6カ国協議の進展を必要以上に困難にしていることへの不満だ。
ヒル米首席代表が表明した訪朝は実現していない。このほかにも、ドル紙幣偽造、北朝鮮のミサイル売却利益の資金洗浄(マネーロンダリング)などを理由にしたマカオの銀行への制裁など、北朝鮮への圧力は再び強まっている。
中でも、北朝鮮は金融制裁に強く反発。米国は、この制裁が大量破壊兵器の拡散防止を盛り込んだ愛国者法(反テロ法)違反の法執行の問題であり、「6カ国協議とは関係ない」(ヒル代表)と説明しているが、北朝鮮は同問題を理由に協議出席に応じない姿勢を見せている。
6カ国協議は、昨春に就任したヒル代表が北朝鮮と頻繁に2国間協議を行うなど、ブッシュ政権ではかつてなかった「柔軟性」を示したことが共同声明採択への大きな要因になった。そのヒル代表を支えたのがデトラニ特使とフォスター朝鮮部長の国務省穏健派の2人で、「ヒル代表に北朝鮮関与政策の重要性を説いた」(米朝協議筋)とされる。
特使の職責を当面兼務するフォスター部長も来夏には部長職2年の任期を迎える。国務次官補(首席代表)が交渉の前面に出るため、権限が限定される特使職だが、その後任に誰が就くかは国務省の対北朝鮮姿勢に影響を与えると見られる。
毎日新聞 2005年12月29日 19時03分
米北朝鮮担当特使:近く辞任 交渉の影響懸念-南北アメリカ:MSN毎日インタラクティブ
