<拉致問題>訪米「大きな成果を得た」 家族会期待 | trycomp2のブログ

<拉致問題>訪米「大きな成果を得た」 家族会期待

 【ワシントン西脇真一】「信念と勇気を持って心を一つにして頑張っていきましょう」。ホワイトハウスで28日午前(日本時間29日未明)、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母早紀江さん(70)、弟拓也さん(37)と面会したブッシュ米大統領は、拉致問題解決への協力をそう約束した。米下院公聴会での初証言で共感が広がるなど、今回の訪米について家族会メンバーらから「大きな成果を得た」との声が相次いだ。
 面会後に会見した早紀江さんによると、冒頭、懇談が実現したことへのお礼を述べると、大統領は「人間の尊厳と自由について話せないほど、自分は忙しくはない」と応じた。持参した拉致直後に北朝鮮で撮影されためぐみさんの写真を「この場に一緒にいるように」と横の机に載せ、救出運動のシンボル「ブルーリボン」を自ら胸に付けたという。
 拉致について、大統領は「大切な人間を国家の事情でさらうとは、とんでもないことだ」との認識を示した。早紀江さんが「悪と闘うには本当に忍耐がいるが、一生懸命頑張っています」と語ると、早紀江さんの手をとりうなずいたという。
 会見で今回の訪米成果を問われた早紀江さんは「今までのいろんな活動が少しずつ具体的な形になってきている」と評価。家族会副代表の飯塚繁雄さん(67)も「北朝鮮に対する強いメッセージになった」。拓也さんは「多くの被害者が家族の元に戻れるようになる転換点になればいい」と語った。
 家族会メンバーらは29日午後(日本時間30日未明)、ワシントン発の航空機で帰国の途につく。
 ブッシュ大統領と早紀江さんの面会について、拉致被害者の蓮池薫さん(48)=新潟県柏崎市=は「拉致問題の解決にとってひとつの大きな転機だと思います。これを機に新しい進展があることを心から願っております」と文書でコメントを出した。
 ◇大統領へ手紙も
 家族会のメンバーが大統領にあてた手紙の概要は次の通り。
▽市川健一さん
 私の両親は91歳の高齢者。一刻も早く会わせてやりたい。時間がありません。
▽飯塚繁雄さん
 22歳の時、2人の幼い子供を残して北朝鮮に拉致された妹・田口八重子の懐かしい写真です。残された子供はもう29歳と30歳になってしまいました。早く普通の家庭に戻してあげたい。
▽横田拓也さん
 私の姉は太陽のような存在でした。私の家族は大変幸せに暮らしていましたが30年前に姉が拉致され、家族の写真がありません。めぐみを取り戻してほしい。今すぐ会いたい。
▽横田早紀江さん
 かわいそうなめぐみちゃん。こんなに悲しい目をして、苦しいでしょう、悲しいでしょう、つらいでしょう。早く神様がみなを救出してくれるよう、毎日毎日祈り続けています。
▽増元照明さん
 私の姉・るみ子と父の写真です。私の父は3年前に亡くなりました。父はるみ子にもう一度会いたいと祈り続けていました。北朝鮮から私の姉を取り戻すのにどうか力を貸してください。
 ◆国際連帯に期待=解説
 今回の訪米で家族会メンバーらは、有力議員や政府高官ら約20人と面会し、精力的に拉致問題解決への支援を訴えた。大統領から直接、拉致問題解決への協力の言葉を引き出したのは大きな成果だ。
 ただ、米国内では、北朝鮮の核開発問題と比べ、拉致問題に対する関心は低いのが現状だ。公聴会証言や大統領との面会を主要メディアで報じたのもAP通信ぐらいだった。「拉致問題は日朝の問題」とされ、国際的な連携の外に置き去りにされる懸念は依然残る。
 家族会などが、昨年来タイやマカオなどを訪れその国の被害者家族と面談して、「拉致は国際犯罪」と訴えてきた背景にはそうした事情もある。ただ、大統領も面会で述べていたように、拉致問題を北朝鮮の人権問題の一つとする考え方が浸透してきている。
 今回の訪問をきっかけに、拉致問題解決への国際的な連帯が強化されることを期待するとともに、当事者である日本政府には一日も早い被害者救出へ向けて一層の取り組みが求められる。【西脇真一】
(毎日新聞) - 4月30日1時45分更新
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