民団、総連和解へ 「私たちの38度線越えた」 在日コリアン「遅すぎる」と批判も | trycomp2のブログ
「歴史的な出来事だ」。在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の歴史的和解とトップ会談の予定が明らかになった16日、多くの在日コリアンからは、歓迎と期待の声が上がった。一方で、「遅すぎる」と批判的な意見も出た。
「歴史的な出来事。ずっと心の底から願っていた」。元朝鮮総連福岡県本部委員長で中央本部経済局長も務めた北九州市小倉北区の金龍九さん(82)は満面の笑み。2000年6月の南北共同宣言から6年。「少し遅いくらい。在日コリアンの諸権利問題の解決に一体となって取り組んでほしい」と期待を込めた。
1974年から10年間、同委員長を務めた金さん。民団との連携の必要性を痛感していたが、民団県地方本部の団長と公に会談する機会はなかった。団長の自宅に、酒の一升瓶を持って訪ね、ひそかに語り合ったこともあった。
「団長は『総連との接触は中央から禁じられている』としながらも、対立するのではなく協力すべきとの認識を持っていた」と金さん。「公式には会えないなど私たちの間にも見えない38度線があった」と当時を振り返る。待ちに待った今回の朗報に金さんは「経済や文化分野など、できるところから手を取り合えばいい」と力を込めた。
福岡県内では2000年以降、民団と総連の支部同士が花見を楽しんだり、戦時中の徴用犠牲者の慰霊祭を共催したりと、交流を重ねる地域が少なくない。ある関係者は「政治を抜きにした地方レベルでは交流が定着してきた」と語る。
「総連はわれわれの隣人であり、在日同胞」。民団県地方本部の崔峯圭事務局長(50)はそう語り「和解と和合に向けたトップの話し合いは喜ばしい」と笑顔を見せた。
また、在日コリアンが多い東京都・大久保の飲食店従業員で、4月に韓国から来日したばかりという男性(20)は「在日コリアン組織が2つに分かれていること自体知らなかった。韓国でも最近、北朝鮮と統一するんじゃないかという雰囲気が広がっている」と喜んだ。
一方、大阪市出身で、在日2世のジャーナリスト金敦子さんは「はっきり言って遅い。メンツを守りたいだけの組織の対立に嫌気が差す人も多かった。今後はぜひ力を合わせて足元に目を向けた活動を始め、存在意義をはっきりさせてほしい」と苦言を呈した。
=2006/05/17付 西日本新聞朝刊=
2006年05月17日02時45分
西日本新聞 / 社会 [民団、総連和解へ 「私たちの38度線越えた」 在日コリアン「遅すぎる」と批判も]
