タイ人女性、救出の動き ジェンキンスさん、手記で「拉致」指摘 | trycomp2のブログ

タイ人女性、救出の動き ジェンキンスさん、手記で「拉致」指摘

拉致被害者、曽我ひとみさん(46)の夫、チャールズ・ジェンキンスさん(65)が手記で明らかにした「アノーチェ」というタイ人の女性拉致被害者に対して、タイ政府が救出に向けた本格的な動きを始めた。北朝鮮による拉致をめぐっては、欧州連合(EU)や日米が国連総会に「深刻な懸念を表明する」として、非難決議案を提出したほか、六カ国協議の米次席代表を務めるデトラニ朝鮮半島問題担当大使も「解決が必要」と表明したばかり。日朝協議の行方は不透明だが、拉致問題に対する国際包囲網は着々と構築されつつある。

 ジェンキンスさんの手記などによれば、タイで育ったアノーチェさんは十代後半、仕事を得てマカオで暮らしていたが、一九七八(昭和五十三)年ごろ、無理やりボートに乗せられて北朝鮮に拉致されたという。

 この年は曽我さんや蓮池薫さん、祐木子さん夫妻、地村保志さん、富貴恵さん夫妻をはじめ、韓国やレバノンでも拉致が多発した。

 アノーチェさんは拉致後、ジェンキンスさんと同様に南北の非武装地帯を越えて北朝鮮側に渡った米兵、ラリー・アブシャー氏と結婚。曽我さん、ジェンキンスさん夫妻らと同じ集落で生活していたこともあったという。

 こうした情報がタイに住むアノーチェさんの親族とされる人々や友人らに伝わり、地元では「二十七年前に失踪(しっそう)したアノーチェに会いたい」と、救出を求める声が出始めた。タイの英字新聞「ネーション」はこの様子を大々的に報道。政府首脳の発言も掲載されている。

 四日付の同紙(電子版)によると、タイの外務省スポークスマンは、ジェンキンスさんから詳細な情報を得るため、日本の外務省に公式に協力を要請する方針を表明。タクシン首相もアノーチェさんが生存している確証が得られ次第、即座に北朝鮮側と交渉に入る姿勢を明らかにした。

 また、麻生太郎外相は四日午前の記者会見で、タイにも拉致被害者がいたことに触れ、「(日本もタイも)お互い主権が侵されており、共同で対応措置を取るのは一つの考え方だ」と指摘。拉致問題でタイ政府と協力していくことに前向きな考えを示した。

 一方、拉致被害者の「家族会」も、タイの大使館などと接触を図る方針。先に訪米し、拉致問題への協力を要請した増元るみ子さん=拉致当時(24)=の弟で、家族会事務局長の照明さん(50)は「ご家族の所在確認をして、場合によっては、こちらからタイに出向くか、日本の集会に来ていただけるよう、さまざまな形の連携を検討していきたい」と話している。(11/05)

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