脱北者:「韓国ビザ取得のため北の女性を買った」 | trycomp2のブログ
本紙取材班が明かす人身売買の実態(2/4)
ムン・ユニさんを漢族に送ってからちょうど1カ月後、取材チームは41歳のソン・ミヨンさん(仮名)に会った。ミヨンさんは、朝鮮族の男性で45歳のイ・ホヨンさん(仮名)が4000人民元(約5万8000円)で買い取った女性だ。その理由は驚くべきものだった。彼はミヨンさんを「韓国行きのビザを得るため」に利用しようとして買い取ったのだ。「北朝鮮の女性が韓国に行けば韓国人になるそうです。そうすれば結婚ビザで韓国に入国できますから」と彼は語る。2007年11月21日夜、40代の女性ブローカーの手を取ってミヨンさんは豆満江を渡った。肌を切り裂くような冷たい風が吹き付けていたが、下半身には何も身に着けていなかったという。
翌日ホヨンさんの自宅でミヨンさんに会った。ミヨンさんの父は「中国の方が朝鮮よりましだ」と口にしたということで、どこかに捕らえられて行った。平壌に住んでいた家族は全員が咸鏡北道に追いやられた。姉の家族は以前脱北したが、中国の国境警備隊に捕らえられて北に送り返され、姉の夫は6カ月にわたる拷問の末に死亡したという。
「わたしと韓国に行って金を稼ぎながら生きて行こう」とホヨンさんが言った。すると、ミヨンさんはすかさず拒絶した。「中国にいる幼い甥を必ず探し出して世話をするためにこちらに渡ってきました。孤児になった甥にとって、わたしは唯一の親戚です。必ず探し出してわたしが姉の代わりに世話をしてやりたい。わたしがなぜ韓国に行かないといけないんですか。韓国に行って何をするんですか」
取材陣の顔色をうかがっていたミヨンさんが突然大声で泣き出した。「知らないと思っているのですか。あなたたちは警察でしょう。中国に逃れてきた同胞を捕らえる警察」。ミヨンさんは取材陣たちを秘密警察だと思っていたのだ。「わたしはそう思います。“お前を韓国に送ってやる”と記者と対面させてから、すぐに捕まえていくんでしょう」と言ってミヨンさんは泣き出した。「わたしはポケットにいつも毒薬を入れているので、その場で死にます」
10日後、ミヨンさんはホヨンさんの家から逃げ出した。ホヨンさんは怒り狂っていた。「北朝鮮の人間は誰もがこのザマだ。獣でもこんな裏切りはしません」。だが、ホヨンさんは韓国行きの人間チケットをあきらめてはいなかった。ホヨンさんはこうつぶやいた。「もうすぐ26歳の若い女性がこちらに来る。殴ってでも韓国に行かせるつもりです」
特別取材チーム
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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