「めぐみさんにかばんもらった」 曽我さん帰国5年で会見
昭和53年、新潟県佐渡島で北朝鮮の工作員に拉致され、日本に帰国して丸5年を迎えた曽我ひとみさん(48)が17日、佐渡市役所真野支所で記者会見を開いた。曽我さんはこの5年間を振り返り「右も左も分からない私に、周りの人が一つ一つ優しく教えてくれた。心より感謝している」と語った。また、北朝鮮の招待所で一緒に生活した横田めぐみさん=拉致当時(13)=から別れ際に赤いかばんをもらったことを明かし、「日本に持ってこれなかったのがすごく心残り」と話した。
曽我さんが同市で記者会見を行うのは平成17年12月以来1年10カ月ぶり。佐渡市の特別養護老人ホーム「待鶴(たいかく)荘」で准看護婦として働き、4月から正職員となった曽我さんは「話に聞くのと現場で働くのでは大変さが違うとつくづく感じている。入所者の方に信頼されるような介護員になれるよう努力していきたい」と話した。
佐渡歴史伝説館で土産販売をする夫のチャールズ・ジェンキンスさん(67)の近況については、「1日中立ちっぱなしの仕事なので体力的につらいと思うが、毎日感謝して仕事を続けている」と語った。
長女の美花さん(24)は保育士をめざして新潟市の専門学校で来年も勉強する。ブライダルアドバイザーをめざして専門学校に通っていた二女のブリンダさん(22)は佐渡市のホテルに就職が内定した。「美花は保育所に実習に出て子供たちと一緒に社会勉強している感じ。子供たちからもいっぱい学ぶことがあると話している。ブリンダが佐渡に帰ってくるのですごくありがたい」と母親の顔を見せた。
曽我さんとともに拉致され、消息が分からない母のミヨシさん=拉致当時(46)=のことに質問が及ぶと、「今まで1日1日、母のことを考えながら生活してきた。職場に行ったとき、同年代の『お母さん』を見ると、私にも母がいたらみんなと一緒に楽しく生活できるのにと、いてもたってもいられない気持ちになる」とつらい胸の内を明かした。
昭和52年、新潟市で拉致された横田さんとは北朝鮮の招待所で一緒に暮らした。曽我さんは「周りを気にしながら話をする状況だった。もっといろんな話をして、仲良くできたのではと考えると本当に心が痛む」と話した。
最後に北朝鮮に暮らす拉致被害者に向け、「まずはどんなことがあっても自分を傷つけないで最後まで希望を持って頑張ることが一番大切。生きていればいつかは日本に戻り、家族と一緒に生活できる日が必ず来ると思う」と訴えた。
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