【コラム】苦境に立たされたヒル次官補(上)
バンコ・デルタ・アジア(BDA)問題が解決の兆しを見い出せないでいる。
北朝鮮は、送金を通じたBDA資金の送金を要求しているが、米国は愛国法第311条の制約のため、北朝鮮資金を送金する銀行を探すことができずにいる。こうして何ら進展がないまま6週間が過ぎた。ともすれば、BDA問題により6カ国協議の成果が水の泡となる状況に次第に近づいているということになる。
BDAをめぐる米国の内部事情は実に複雑だ。国務省は米国の銀行を活用し、BDAの北朝鮮資金を送金する方法を探そうと必死になっているが、財務省と米議会は米国の銀行を活用しようとする国務省を制止している。その理由は、愛国法に抵触する恐れがあるというものだ。そのため、最近国務省が米国屈指の銀行であるワコビア銀行を通じ、BDAの北朝鮮資金を送金しようと画策した際も、これに反対する財務省がマスコミにこの事実を漏らし、話を白紙に戻したことがあったほどに、両省は声なき戦争を繰り広げている。
ところが、政策を調整し、執行すべきホワイトハウスですら、国務省と財務省との争いを対岸の火事のように眺めている。これは、政権末期を迎え、誰も責任を取りたがらなくなっているからだ。
そのためジョージ・W・ブッシュ大統領も、「できるところまでやってみて、どうにもならなければBDA問題の政治的死亡宣告を下す」との戦略的立場を取っている。BDA問題が解決してもしなくとも、とりあえず解決に向けて努力する姿勢は見せるが、大幅な譲歩はしないということだ。
そこでもしブッシュ大統領がBDA問題について死亡宣告を下した場合、最も大きな打撃を受ける人物はクリストファー・ヒル次官補(アジア太平洋担当)だ。6カ国協議北京合意はすべてヒル次官補の作品といえる。ヒル次官補は昨秋、コンドリーザ・ライス国務長官、スティーブン・ハドリー大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らとともに、ブッシュ大統領につながるホットライン体制を構築した後、米国内の強硬派の反対にもかかわらず、ドイツ・ベルリンで北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官と会い、北京合意を一気にまとめ上げた。
ワシントン=崔宇翛(チェ・ウソク)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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