【主張】拉致特別委決議 米は対北戦略の見直しを | trycomp2のブログ

【主張】拉致特別委決議 米は対北戦略の見直しを

 北朝鮮に対する米国のテロ支援国家指定解除に反対する超党派決議が衆院拉致問題特別委員会で採択された。参院でも近く同じ趣旨の決議案が提出される見通しだ。

 決議は「拉致被害者が抑留され続けている以上、テロは今も続いている」と指摘し、指定解除は「多くの日本国民を落胆させ、日米同盟に重大な影響を及ぼす」とも明記している。自民、民主、公明3党の賛成による超党派で採択された事実は、拉致問題解決を求める多くの日本国民や国会の強い意思と、指定解除が同盟の信頼関係にもたらす悪影響を端的に示すものである。

 特定の米外交政策に異論を唱える国会決議は異例という。だが、米議会でも安易な指定解除への懸念が高まり、被害者の帰国などを解除条件とする法案が下院に提出されている。同時期に日米の立法府で同じ趣旨が叫ばれているということは、こうした懸念が決して的外れでなく、間違ってもいないことを裏書きしているといってよい。

 5日には、政府拉致問題対策本部の企画で欧米など8カ国の記者11人が新潟市内の横田めぐみさん拉致現場を視察するなど、国際的関心も着実に広がりつつある。

 核問題をめぐる米朝協議は、北朝鮮が「完全かつ正確」な核申告を行うとの約束を果たしそうになく、6カ国協議の年内開催も微妙となった。ヒル米首席代表の交渉姿勢をめぐっては「北朝鮮側との口約束だけで話を進めすぎる」といった批判が元米当局者らからも出ているのが現状だ。

 先の日米首脳会談で、ブッシュ米大統領は「拉致問題を忘れない」と述べたが、それだけでは安心できない。安易な決定で同盟関係を損なうことがないように、米政府は核廃棄の全体プロセスにおける指定解除問題の位置づけや北朝鮮に対する協議戦略などについて今一度、見直してもらいたい。

 特別委決議は日本政府に対しても、拉致被害者の全員救出のために「最大限の外交努力を尽くすべきだ」と求めている。日米両国とも同盟を強化しつつ、核問題も拉致問題も、着実な前進を図らなければならない。福田康夫首相はじめ日本外交当局も、同盟国だからこそできる直言や緊密な協議を怠らずに、全力を投入してほしい。

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