日朝並行協議 正常化交渉のみ突出も 北「拉致」幕引き図る狙い | trycomp2のブログ
拉致事件に関する日朝協議は、北朝鮮が従来の姿勢を変えず、国交正常化交渉を誘い水にして北朝鮮側から少しでも前向きな回答を引き出そうとした日本側の思惑は、大きく外れた。日本側は、並行協議という政府間対話のスタイルについて「拉致問題で成果をあげるために並行協議を提案した。残りの期間、拉致を最重要視して臨む。結果で判断すべきだ」(交渉筋)としているが、進展の可能性は薄く、北朝鮮を利するだけの結果に終わる懸念も出ている。(北京 大谷次郎)
拉致事件の解決は、横田めぐみさんの偽遺骨問題もあって暗礁に乗り上げている。日本側は事態打開のために、北朝鮮が大きな期待を寄せる経済協力がテーマとなる国交正常化交渉のテーブルに着くことで拉致事件で前向きな対応を引き出したい考えだった。
日本側交渉筋は、「並行協議は今回が初めてで成果をいきなり引き出すのは困難。だが、協議を続ければ、打開の道を探れる」としており、梅田邦夫外務省アジア大洋州局参事官も「まだ協議は続くので、どうなるかやってみたい」と述べ、今後に期待感を示した。
しかし、北朝鮮側代表の金哲虎外務省アジア局副局長は「誠意と努力を尽くした」と述べており、「拉致事件の幕引きを図りたい態度を強くにじませた」(関係筋)。
北朝鮮は平成十四年九月の日朝首脳会談で、金正日総書記が初めて拉致事件を認めて謝罪。その後、被害者とその家族が帰国したが、横田めぐみさんら安否不明者に関しては「死亡」「未入国」という説明を変えようとしていない。
日本政府は「最重要課題である拉致問題の解決を目指し、しっかり交渉しなければならない」(安倍晋三官房長官)としており、拉致事件を置き去りにしたまま、国交正常化に踏み切ることはないと再三、言明している。しかし、今回の協議を見る限り、並行協議合意時の「国交正常化交渉だけが突出するのではないか」との疑念がさらに深まったといえよう。
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■被害者家族、「要求水準にほど遠い」
拉致事件に関する日朝協議で、依然として拉致実行犯の引き渡しなどに応じない北朝鮮側の対応に、拉致被害者家族会のメンバーらは「論評に値しない」といらだちを募らせた。
家族会副代表の飯塚繁雄さん(67)は、「北朝鮮側の回答はわれわれの要求水準に程遠い」と批判。北朝鮮側の「もう少し研究する」との発言について、「決裂を避けて、国交正常化交渉に入ることだけが狙いだ」と指摘し、代表団の帰国後、政府の制裁発動の意思を改めて確認する考えだ。
家族会事務局長の増元照明さん(50)も「この態度を変えさせるには、経済制裁など大きなインパクトが必要だ。日本政府は『北朝鮮の真意を見極める』と言ってきたが、これ以上の引き延ばしに付き合う必要はない」と主張。今後の日程で国交正常化交渉に入らず、拉致問題を徹底追及するよう求めた。
横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(69)は「今まで何度(協議を)やってもむだだった。日本政府はもう少しピシッとして」とくぎを刺した。
Sankei Web 産経朝刊 日朝並行協議 正常化交渉のみ突出も 北「拉致」幕引き図る狙い(02/06 05:00)
