初期段階は完了も協議再開の見通し立たず 北核合意から1年 | trycomp2のブログ
北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で昨年12月13日に、寧辺の核施設の稼働停止・封印など初期段階の措置に関する合意が成立してから1年が経過した。初期段階は完了し、次の段階の措置として無能力化の作業が進められているものの、核計画の申告で米朝が対立、協議再開の見通しは立っていない。今のところ米朝とも譲る気配はなく、当面は膠着(こうちやく)状態が続きそうだ。(ワシントン 有元隆志)
「金正日総書記はオバマ上院議員が勝つのを待っているようだ」。米政府当局者は交渉停滞の背景についてこう漏らす。民主党の大統領指名候補を目指すオバマ氏は北朝鮮と条件なしに対話するとしており、北朝鮮にはブッシュ政権よりも「望ましい交渉相手と映っている」(同)という。
マンスフィールド財団のゴードン・フレーク所長は11日、北朝鮮に関するシンポジウムで、「明白になってきたことは、北朝鮮が(申告などの)行動を起こすことを避けようとしていることだ」と述べ、交渉の行方に懐疑的な見方を示した。同氏は「合意には(履行期限を定めた)時間的な枠組みがあったが、1年たって勢いはすっかり失われてしまった」と語る。
2月合意では、北朝鮮は寧辺の実験用黒鉛減速炉など3施設の稼働停止・封印を2カ月以内に行うとされていたが、それに5カ月間かかった。無能力化と申告も、昨年末に完了予定だったが、北朝鮮は履行していない。
マイケル・グリーン米国家安全保障会議(NSC)前アジア上級部長も「寧辺の核施設は状態が悪かった。北朝鮮は寧辺と引き換えに重油供給を受け、国連安保理による制裁を免れ、満足しているだろう」と同調した。
2月合意の際、米次席代表だったジョージタウン大のビクター・チャ教授は「ここまで到達した合意は今までなかった」と合意の意義を強調しつつも、シリアと北朝鮮の核開発協力疑惑の浮上で申告問題がさらに困難になっていると指摘した。
6カ国協議筋は今後のシナリオとして、(1)対立が来年1月のブッシュ政権の任期切れまで続く(2)米国が対北圧力を強化する(3)どちらかが譲歩する-の3通りあるとする。同筋は「圧力強化の雰囲気はない。北朝鮮が求めるテロ支援国家指定解除に米側が踏み切る状況にもない」と、対立が解ける兆候はないと見る。
グリーン氏は韓国の李明博政権発足に伴い、日米韓3カ国の連携強化など、北朝鮮や議長国の中国にも圧力をかけることが必要だと強調する。
スティムソン研究所のアラン・ロンバーグ上級研究員は「悲観的になる必要はない。次期米政権を待つより、現政権との間でよい合意を結べることを北朝鮮は理解している」と事態打開の可能性はあるとの見方だ。一方で、「北朝鮮にとっては(核放棄の合意は)危険も伴うだけに非常に難しい決断だ」とも述べた。
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