北朝鮮の核申告リスト、ヒル次官補が協議不調を示唆
【北京=宮崎健雄】北朝鮮核問題をめぐる6か国協議の米首席代表、クリストファー・ヒル米国務次官補は5日、訪朝を終えて北京に到着した。
北朝鮮に対し、年内実施で合意済みのすべての核計画に関する「申告リスト草案」提出に道筋をつけられるかが焦点だったが、次官補は5日夜、北京市内で記者団に、申告の内容について「米朝が必要と考える内容には、いくつかの相違点がある」と、協議が不調に終わったことを示唆した。この結果、6か国協議の早期再開は難しい情勢となった。
ヒル次官補は、先延ばしされた6か国協議首席代表会合について、「時間は残されておらず、1月初めにずれ込むかもしれない」との見通しを示した。
10月に採択された6か国協議の共同文書では、核放棄に向けた「第2段階の措置」として、「核計画の完全申告」と「寧辺(ヨンビョン)の3核施設無能力化」を年内に実施すると定められており、関係国の間で大詰めの調整が進められていた。
次官補は、申告をめぐる相違点について具体的に明らかにしなかったが、「過去のものも含め、すべての核計画、施設、物質を申告に入れるよう求めた。草案であっても、完全かつ正確でないといけない」と、北朝鮮側にこれまでより強い態度で臨んだことを明らかにした。ただ、無能力化作業については、「順調に進んでいる」と評価した。
当初は11月中とみられていた北朝鮮の申告リスト草案の提出が遅れているのは、米国が、ウラン濃縮計画やプルトニウムの抽出量、他国への核技術移転の三つの疑惑について、申告内容に盛り込むようハードルを上げたことが背景にある。
消息筋によると、米政府はもともと、この三つの疑惑を厳しく追及するつもりはなかったが、11月に訪米した福田首相が北朝鮮のテロ支援国指定解除に反対したことなどに配慮して、方針を転換したという。
ただ、北朝鮮にとっては、申告のハードルが上がったことは、見返りに要求していたテロ支援国指定と敵国通商法適用の年内解除が難しくなったことも意味する。次官補によると、北朝鮮代表の金桂寛(キム・ケグァン)外務次官は会談で、「急ぐと失敗する」と米側の要求をその場では受け入れず、時間稼ぎとも取れる発言をしたという。
申告をめぐる相違点が残っている上に、申告内容を協議する6か国協議の年内開催がほぼ不可能になったことから、年末までに北朝鮮に「完全申告」をさせるのは極めて難しい状況で、核放棄プロセスが大幅に遅れる可能性も出てきた。
(2007年12月6日1時48分 読売新聞)
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