「6者」東京協議、枠組み崩壊に危機感 | trycomp2のブログ

「6者」東京協議、枠組み崩壊に危機感

 北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の主要メンバーが、民間団体主催の会議を機に東京に集まることになった。米国の金融制裁に反発する北朝鮮が、20日の米中首脳会談も念頭に積極的な動きに出たことに加え、「このままでは6者協議が崩壊しかねない」という各国共通の危機感が異例の「東京ラウンド」に結びついたとみられる。ただ、金融制裁問題で進展がなければ、正式な6者協議の再開は一層遠のく恐れもある。(高槻忠尚、鵜飼啓、倉重奈苗)

●金融制裁に焦る北朝鮮

 北朝鮮は6者協議復帰を拒否し続ける一方、金融問題での米国の締め付けにいらだちを強め、韓国政府筋は「米国との対話の場を求めていた」とみる。北朝鮮の李根(リグン)外務省米州局長は先月訪米し、金融制裁解除と米朝間の新たな協議体設置などを提案したが一蹴(いっしゅう)された。北朝鮮は表向き対決姿勢を強めているが、米国の金融包囲網に焦りを感じ、再交渉の糸口を模索していた、との見方だ。

 6者協議復帰を促す中国はブッシュ大統領との首脳会談を控えており、北朝鮮なりの努力を示す必要もあった。「民間会議への出席というかさをかぶった訪日であり、米朝ともに参加の口実がつけやすかった」(日韓外交筋)との側面も働いた。

 一方、米政府は姿勢を変化させない北朝鮮に対していらだちを強めている。財務省は「北朝鮮による資金洗浄の疑いが強い金融機関」にマカオの銀行を指定したのに続き、大量破壊兵器拡散にかかわったとしてスイス企業を制裁した。それでも今回、6者協議首席代表のヒル国務次官補、フォスター国務省朝鮮部長らを派遣するのは、国務省の対話重視路線に沿ったものと言える。

 日本政府は「この機会を逃すわけにいかない」(外務省幹部)と、協議再開に何とかつなげたい考えだ。会議とは別の場で、6者協議代表の外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長が、ヒル次官補や北朝鮮の金桂寛(キムゲグァン)、中国の武大偉(ウーターウェイ)両外務次官ら各国代表らと会って、調整することを検討している。

 ただ、外務省は「米国がアメを用意しているとは思えないし、北朝鮮も折れないだろう」(関係者)と楽観はしていない。「東京ラウンド」の最大のカギは、北朝鮮が金融問題でどこまで譲歩姿勢をみせるかどうかにかかっているといえる。
asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-国際面