エネルギー支援で隔たり 6カ国協議きょうも継続
【北京=新貝憲弘】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は3日目の10日、議長国の中国を軸とした2国間会合が終日行われた。中国が提示した合意文書の草案について意見調整が行われたが、北朝鮮は核放棄に向けた「初期段階の措置」の見返りとして大規模なエネルギー支援を要求。残り5カ国との隔たりが依然大きく、11日も引き続き協議が行われることになった。
中国はこの日、5カ国すべてと2回以上の会合を開いたほか、米国は中国と4度、韓国と3度にわたり断続的に協議。中国外務省の秦剛副報道局長は協議後の会見で「議論の焦点は北朝鮮に対する経済・エネルギー協力問題だ」と説明。「各国の意見の食い違いはまだ大きいが、積極的な態度で話し合っている」と述べ、合意文書の修正案づくりに努力していると説明した。
日本の首席代表を務める佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は「争点は絞られているが、いくつかの問題で解決の方法が見えない。厳しい状況が続いている」と語った。
韓国首席代表の千英宇(チョン・ヨンウ)外交通商省朝鮮半島平和交渉本部長は、北朝鮮と非公式協議を複数回開いたことを明らかにし「各国の利害関係が絡む部分があるため、妥結できなかった。明日の交渉で展望がある程度分かるだろう」と話した。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は10日、2カ月以内に北朝鮮が主要な核施設を閉鎖・封印する見返りに、韓国による重油の提供や米国との関係正常化交渉を開始する行程表を盛り込む案で合意に近づきつつあると報じた。ホワイトハウスと国務省はこの一両日に6カ国協議で合意に達したら、「大々的な発表」を準備しているという。
■米、金融制裁一部解除へ
【北京=吉田昌平】北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議に関連し、米国の北朝鮮に対する金融制裁の一部が近く解除される見通しであることが10日、分かった。複数の協議関係筋が明らかにした。
制裁解除の具体的時期は不明だが、関係筋は「解除されるのは、凍結された口座の総額約2400万ドルの資金のうち、半分程度になるだろう」との見通しを示した。米国はこうした方針をすでに協議関係国に伝えたもようだ。
金融制裁は、米国が愛国者法(反テロ法)に基づき、北朝鮮の違法行為に関係する懸念先として、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」を指定したのが発端。これを受け、マカオ政府がBDAの北朝鮮関連口座約50を凍結していた。凍結解除となるのはこのうち、先の米朝金融問題協議でも、違法性が確認されなかった口座となる。
北朝鮮は昨年末の6カ国協議で、核問題協議入りの前提として金融制裁の解除を主張。しかし、今回の協議では、これに固執せず、核放棄に関する初期段階の措置を受け入れる姿勢を表明した。
北朝鮮の態度変化の背景には、金融制裁の一部解除を織り込み済みとして、見返り支援の獲得に乗り出したことがあるとみられる。ただ、米国は今回の措置は制裁解除でなく、「法執行の問題」と位置付けている。
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