朝鮮会館訴訟判決要旨 | trycomp2のブログ
福岡高裁で2日、言い渡された朝鮮会館訴訟控訴審判決の要旨は次の通り。
【固定資産税の納付義務者】
地方税法では固定資産税の納付義務者を、登記簿等に土地・家屋の所有者として登録されている者と定めており、本件で固定資産税減免の存否が判断されるのは「熊本朝鮮会館」を所有する有限会社になる。
【減免措置対象としての該当性】
有限会社はもともと会館を所有することを計画して設立されたにすぎず、会社としての活動は何ら行っていない。このため、地方税法と熊本市条例がそれぞれ定める減免対象には該当せず、有限会社に対する減免理由は何ら認められないため、熊本市長による有限会社への減免措置は違法と言わなければならない。
【会館の使用目的】
仮に、減免理由の存否を納税義務者自身ではなく、現実の利用者について判断するべきだとしても、本件ではこの減免理由は存在しない。
会館は、部屋の大部分を朝鮮総連の地方組織である総連熊本県本部や傘下団体に無償で貸し、有限会社などの役員には総連県本部などの役員が就任している。これらの事実から、会館全体がもっぱら総連の活動拠点として使用されているのは明らかである。
地方税法および市条例がわが国の法体系の中にある以上、減免措置の判断要素になる「公益性」は「わが国社会一般のために」と解するべきことは文脈上からも、本件の対象が国内の固定資産であることからも当然である。
【朝鮮総連の公益性】
総連の組織および活動に関する事実から、総連は北朝鮮の指導のもと、北朝鮮と一体の関係にあり、北朝鮮の国益や在日朝鮮人の私的利益を擁護するために活動している。その活動がわが国社会一般の利益のために行われていないことは言うまでもない。
【公民館類似施設の該当性】
公民館類似施設は実際生活に即する教育、学術および文化などの事業を行う。一定の属性を有する者を対象とした施設ではなく、一定区域の住民を広く対象とした施設と解するのが相当。会館の使用目的は教育、学術などの活動と限定されていない。減免措置当時も「公益のために」という目的、内容の施設としてふさわしい利用状況であったかについて大いに疑問がある。
【税減免の市長裁量権】
厳格な租税法律主義のもと、租税法領域での課税庁の処分に自由裁量は認められない。裁量が認められるとしても、それは法規裁量の範囲内であることは固定資産税の減免理由についても同様。納税義務者である有限会社に公益性が認められないばかりでなく、総連などの使用についても公益性が認められないことからすれば、市条例が減免対象と定める「市長が特に必要と認める固定資産」の項目などに該当するとは認めがたいことになる。
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