脱北者:9キロ北の岸壁漂着…保護の3時間前 | trycomp2のブログ

脱北者:9キロ北の岸壁漂着…保護の3時間前

 老朽化した小型船で日本海を渡ってきた、脱北者の家族4人。2日未明、最初に日本にたどり着いたのは、遊漁船が発着する青森県深浦町の小さな岸壁だった。父親は疲れた表情で「ここ、ニイガタ?」と遊漁船の出発を待っていた客らに2度繰り返し、身ぶりで体を洗いたいというふうに示したという。遊漁船の客からの110番通報で4人は約3時間後、約9キロ離れた深浦港で県警に保護されたが、この様子を目撃した客らは「まさか北朝鮮から来たとは思わなかった」と驚いていた。

 この岸壁は深浦港の北にある、風合瀬(かそせ)漁港。午前4時、岸壁で遊漁船の出発を待っていた秋田市内の客3人が、櫓(ろ)をこぎながらふらふらと近づいてくる黒い小型船を見つけた。

 小型船は岸壁から約5メートル離れて止まると、50代後半の父親が船の中から「ニイガタ」という地名を繰り返した。遊漁船の男性客(57)が、新潟ではないことなどを身ぶりで伝えようとしたが、父親は首をかしげるだけだった。

 父親が拳を体の手前で上下させて体を洗うような仕草をしたため、別の無職の男性客(73)が「深浦港に行けば風呂もある」と思い、その方向を指さすと、櫓を使って港から出ていったという。やりとりは15分ほどだった。この間に、客の1人が110番通報した。

 無職の男性客は「真っ黒で日本では見かけない船だった。ジャンパーを重ね着していたので、夜は冷えたのだろう」と印象を語り、遊漁船の船長は「4人は疲れた様子で、よれよれの服を着ていた。櫓を使っていたので、漁師ではないかと思った」と話している。

 風合瀬漁港は漁船登録100隻余り。遊漁船によるメバル釣りなどのために、県外から客が訪れる港。

【岡田悟、野原寛史】

毎日新聞 2007年6月4日 3時00分

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