南北首脳会談、親北政権維持が狙い 日本を牽制も
【ソウル=黒田勝弘】盧武鉉政権の南北首脳会談構想は、昨年から水面下で執拗(しつよう)に進められてきた。今年に入ってからは「8-9月開催説」が流れていた。したがってマスコミや政界、世論の大方の反応は「やはり」というものだ。2000年に次いで2回目ということもあって、驚きはそれほどない。
盧武鉉大統領が金正日総書記との首脳会談開催にこだわってきたのは、金大中前政権に続く親北・革新政権として南北関係を安定させ、対北支援の融和策を堅持、拡大することと、この路線を次期政権に継承させるためだ。大統領官邸の発表も「南北関係の和解・協力の基調が次期政権にも維持されることが期待される」と強調している。
12月に迫った大統領選は与野党双方で候補選びが最終段階に入っている。盧武鉉政権による南北首脳会談開催は、南北和解・協力路線維持の与党陣営に“追い風”になるものとみられる。「政権交代」を目指す野党が優勢を続けている選挙情勢にかなり影響を与えそうだ。
また南北首脳会談開催について、発表は「わが民族だけでの精神」を強調している。北朝鮮の核問題が米国の対北姿勢の変化で一定の進展をみせるなか、これまで「自主外交」を看板にしてきた盧武鉉大統領としては、政権末期の”業績作り”の一環という意味でも、南北首脳会談に踏み切ったとみられる。
一方、北朝鮮は韓国からの引き続いての支援獲得と、対北融和策を維持する次期政権を期待し、韓国側の会談要請に応じた。北朝鮮の当面の対韓政策の基本は、保守野党ハンナラ党による政権獲得を阻止することだ。今回の首脳会談は韓国における「政権交代絶対阻止」で双方の思惑が一致した結果とみていい。
北朝鮮はまた、南北首脳会談を通じ韓国を北に引きつけることで“日韓離間”と、拉致問題で強硬姿勢を崩さない日本の“孤立化”を狙っている。韓国は金正日政権に取り込まれるのかどうか。その意味では盧武鉉大統領の外交路線を確認する格好の機会でもある。
(2007/08/08 14:13)
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