胡主席、日中友好ムード再現 「84年交流団員」らと会見
【北京=野口東秀】中国の胡錦濤国家主席は19日、1984年の3000人青年交流訪中団に参加した日本人やその家族ら約200人と北京の人民大会堂で会見した。中国側は当時受け入れ責任者だった胡主席が会見したほか党・政府幹部10人以上が姿を見せる異例の厚遇ぶり。「友好と戦略的互恵関係を発展させる」とのメッセージを日本側に送り、関係改善の流れを確実にする狙いがありありとうかがえた。
「日中青年世代友好代表団」と名付けられた今回の訪中団は、中国の青年組織・中華全国青年連合会(全青連)の招待で実現し、当時首相だった中曽根康弘氏が最高顧問として随行した。
人民大会堂には唐家セン国務委員、王兆国政治局員らが顔をそろえた。84年当時全青連主席だった胡主席は会見などで「中日友好の大方向」は変わらないと強調した上で「両国関係の発展過程では矛盾が出ることは避けられない。(しかし)歴史をかがみとし、未来に向かう原則で話し合い、対立や矛盾を処理し各分野の交流を強めることが重要だ」と述べた。
80年代、胡耀邦元共産党総書記(故人)の下で「日中関係は最良の時期」とされたが、同総書記は対日関係を重視したことも攻撃材料にされ87年に失脚した。胡主席は胡耀邦氏を「師」と仰いでいるといわれ、「胡主席は胡耀邦氏の二の舞になるのでは」と危ぶむ声もある。にもかかわらず胡主席が「次世代に続く友好」に強い意欲を示す背景には、関係改善の中で、日本から環境対策など科学技術の導入を円滑に進めたい中国側の思惑がある。さらに当時の訪中団の子供らを招待し「未来志向」のイメージを印象づけることで、安倍晋三首相が靖国神社に参拝できなくなるような政治環境を醸成する深謀遠慮もあるようだ。
一行は同日、北京市内で中国側代表と「温故知新、伝承友好」フォーラムも開催、中曽根氏や胡春華・共産主義青年団第1書記が青少年交流の重要性を強調した。
(2007/06/20 00:22)
胡主席、日中友好ムード再現 「84年交流団員」らと会見|中国・台湾|国際|Sankei WEB