北朝鮮「一定の措置」 偽ドル札問題、昨年末に中国と協議 | trycomp2のブログ
北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が中国を訪問する直前の昨年末、金総書記の側近が訪中し、米国が主張する偽札問題などで調査や措置をとる用意があることを伝えていたことがわかった。外交筋が明らかにした。金総書記は17日、核問題などを中心に胡錦涛(フーチンタオ)国家主席と会談したとみられる。金総書記の帰国後、6者協議の再開に向けた各国の動きが活発化する可能性がある。(高槻忠尚、北京=坂尻信義)
●妥協点探る動き
北朝鮮の朝鮮中央通信は17日、「米国の(金融)制裁と圧力が6者協議再開を阻んでいる。制裁を解除せず、圧力と威嚇の度合いを高める限り、我々の対応措置は強まるだろう」と伝えた。金総書記の北京入りにあわせ、米国を牽制(けんせい)する内容だが、水面下では「着地点」を探っていた。
外交筋によると、6者協議の北朝鮮首席代表、金桂寛(キムゲグァン)外務次官が昨年末、訪中して瀋陽で中国の武大偉(ウーターウェイ)外務次官と協議した。金次官は、金融制裁が解除されない限り6者協議には応じないとする従来の姿勢を繰り返す一方、米国が主張する米ドル札偽造や資金洗浄(マネーロンダリング)など不法行為の証拠が確実なら、関与した北朝鮮の人物を調査し、「一定の措置」を取ることも可能との考えを示したという。
米国が昨年秋、マカオの銀行に事実上の金融制裁を科して以降、北朝鮮は態度を硬化、事情説明をしたいとする米国の提案を拒んできた。金次官の発言は「国家犯罪」を認めないものの、「個人による不正」の存在の可能性を示唆した形だ。
北朝鮮は核問題をめぐる6者協議の枠組みを維持し続けなければならないと強く認識している。本格的な経済制裁に道を開く国連安保理での審議が現実味を帯びてくるからだ。米国は「6者協議と司法手続きは別問題」との姿勢を崩しそうになく、国際金融犯罪で米国といたずらに対立を深めるのも得策ではない、との思いが発言ににじむ。
北朝鮮側の意向は中国を通じて米国に伝えられ、6者協議の米国首席代表、ヒル国務次官補も関心を示したとされる。だが、金融制裁はブッシュ大統領が直接、厳正な対処を指示した問題。米国としても「国家犯罪」に目をつぶったまま安易に取引に応じることはできないとみられる。
一方、6者協議の議長国・中国は中朝首脳会談を契機に制裁問題で「各国が受け入れられる妥協策」(外務省報道官)に道筋をつけたいと考えている。広州や深センなど経済開放モデル地区を金総書記が直接見たことで、北朝鮮の経済改革促進につなげられれば、という思惑もある。
asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-国際面
