テポドン2「失敗説」、民間専門家から慎重論も | trycomp2のブログ

テポドン2「失敗説」、民間専門家から慎重論も

 米本土の一部を射程に収める長距離弾道ミサイル「テポドン2」の発射は成功したのか、それとも失敗に終わったのか。日米韓各政府がともに「失敗」との見方を示す一方で、民間の専門家からは「限られたデータだけで判断するのは早計」との慎重論も出ている。

 弾道ミサイルの実験は一般的に、着弾目標に向かって飛行中の推力や姿勢制御、弾頭分離など幅広いデータを総合的に集めるのが目的とされる。

 北朝鮮が今回、飛距離を短縮して飛ばしたとしても、ミサイル本体が上昇後、宇宙空間に到達するまでに数分程度を要するとみられる。

 ところが米政府は「発射から約40秒で痕跡を絶った」として、「打ち上げは失敗」と評価。韓国政府も「本来の軌道からはずれて墜落」として失敗説を表明した。額賀防衛庁長官も記者会見で「失敗の可能性がある」とした。

 しかし、専門家の見方は分かれる。

 日本の主力ロケットH2Aは、テポドン2と同じ2段式で液体燃料エンジンを搭載する。H2Aだと1段目のエンジンは発射後6分半ほど燃え、高度200~300キロの宇宙空間でロケットから分離。その後、2段目のエンジンを点火して飛行を続ける。

 テポドン2が到達した高度は明らかではないが、発射後40秒だと、H2Aなら上空10キロにしか到達していない。宇宙空間にいったん飛び出す長距離ミサイルとしては、高度が不十分だった可能性が高い。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の的川泰宣教授は「液体燃料ロケットは、制御して止めない限り2分以上は絶対に燃える。なにか不具合があったのではないか」と言う。

 一方、宮澤政文・元静岡大工学部教授は、当初計画通りだった可能性も捨てきれないという。「想像だが、燃料の調達に苦労しているのではないか。初めから1、2割しか燃料を入れなかった可能性もある」

 宮澤さんは、10年前に中国の長征ロケットが発射直後に爆発した例を挙げ、「今回は数百キロ飛んでいるし、着火やエンジンの作動も確かめられたはずだから、北朝鮮は成功だと思っているかも知れない」と指摘する。

 また、韓国メディアの「聯合ニュース」は、40秒の飛行でも、ある程度性能が把握できるため、「あえて射程を縮めて日本海に落下させた意図的な失敗だった」との見方を紹介している。

 元海上自衛隊幹部で弾道ミサイル防衛に詳しい金田秀昭・岡崎研究所理事は「北朝鮮側の目的がわからない段階で、限られた情報とデータをもとに断言するのは早すぎる。米国には非合理的に見えても、北朝鮮は目的を達成したと考えているかもしれない」とし、時間をかけた慎重な分析が必要とみている。
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