北、非核化先行を警戒 米の敵視政策変更なく
【北京=城内康伸】北朝鮮核問題をめぐる六カ国協議の首席代表会合は二十日、核施設「無能力化」やすべての核計画の申告など「次の段階」措置について、履行期限の設定で合意できずに閉幕した。北朝鮮は、自国が求めている米国による「敵視政策」解消などで具体的な進展がなく、非核化プロセスだけが先行することを警戒した。次の段階では専門的・技術的論議が不可欠で、今後の交渉も紆余(うよ)曲折するのは必至だ。
今回の会合では、次の段階に関する各国の考え方が開陳され、「十分な協議で、次の段階に入る行程表を作る重要な基礎ができた」(韓国首席代表の千英宇=チョン・ヨンウ=外交通商省朝鮮半島平和交渉本部長)との評価はある。北朝鮮が申告や無能力化の約束を「真剣に履行する」と確認したことも成果だ。
しかし、日本首席代表で外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長は「基本的なところで対立があった」と振り返る。
米国は「年内履行」で合意することを期待したが、北朝鮮は今会合で履行期限を設定することに反対。同国首席代表の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官は「詳細な日程は作業部会で決めるのが望ましい」と主張した。
金次官は会合で、無能力化を完了した時点で「軽水炉支援」をするよう要求。申告や無能力化の前提として、米国によるテロ支援国家指定の解除や敵国貿易法の適用除外など「敵視政策」の変更が必要だと迫った。
北朝鮮へのエネルギー支援の内容や時期、方法も未確定で、見返り措置に関する詰めの作業がないまま、北朝鮮の履行義務だけ期限設定をすることは、「行動対行動」の原則に反する、というわけだ。
無能力化に伴う技術的問題や履行期限は来月予定される作業部会で具体的に議論する。北朝鮮が同時に、見返り措置の突っ込んだ論議を求めてくるのは間違いない。
中日新聞:北、非核化先行を警戒 米の敵視政策変更なく:北朝鮮問題(CHUNICHI Web)