北の挑発行動増加 米議会報告書 「テロ国家」継続審議へ
【ワシントン=古森義久】米国議会調査局は「北朝鮮の挑発行動1950年から2007年まで」と題する報告書を作成し、24日、議会側に引き渡した。議会は同報告書を米国政府による北朝鮮のテロ支援国家指定の継続の是非を審議する際の資料とする意図だが、同報告書は北朝鮮が近年もテロにつながる対外挑発行動を増していることを伝えている。
日本にも大きな意味を持つ米国政府による北朝鮮のテロ国家指定は、ブッシュ政権内でも国務省が指定解除に傾いていると伝えられる。同報告書は米国議会で同指定問題を最初に審議する下院外交委員会の共和党側イリアナ・ロスレイティネン議員らによって北朝鮮の最近のテロ関連動向を測る資料として作成を求められた。
同報告書はまず「挑発行動」として暗殺や爆破を含むテロリズムだけでなく、軍事侵攻、国境違反、核兵器やミサイルの実験、韓国政府転覆の扇動、政治指導者やメディアに対する脅迫、ハイジャック、拉致などをあげている。
北朝鮮の挑発行動としては2007年は北朝鮮による3月の6カ国協議の事実上の継続拒否をあげた。06年は3月の短距離ミサイル2発発射、7月の中・長距離ミサイル7発発射、10月の地下核実験など6件。05年は2月の北による濃縮ウランでの核兵器開発の自認、3月の中国領内での北朝鮮工作員による脱北者の拉致、8月の北の6カ国協議離脱など計16件、04年は7件、03年は19件をリストアップした。
ブッシュ政権が登場した01年は挑発行動は合計8件、02年が7件であり、同政権下のこれまでの7年間で総計64件を記録した。これに対し1950年から90年までの総計が50件、91年から2000年までの総計が50件で、挑発行動はこのところ増える傾向にある。
同報告書は北朝鮮の挑発行動が最も過激だったのは1960年代後半だとして、この期間には北は韓国の政治体制の転覆を真剣に狙ったからだと述べている。しかし挑発行動の件数ではここ7年間が最も多いわけで、北朝鮮の攻撃性、暴力性はさらに勢いを増している、ということになる。
議会筋では、国務省が北朝鮮のテロ活動について「北の工作員が大韓航空機を爆破した1987年が最悪で、以後は少しずつテロは減ってきた」という認識からテロ支援国家指定を今春には解除する動きをみせているとして、警戒を強めている。議会調査局の同報告書は、北がなお国際社会へのチャレンジをやめてはいないことを強調している。
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