「北」のアナ、拉致濃厚失踪者と別人?写真に合成の痕跡 | trycomp2のブログ

「北」のアナ、拉致濃厚失踪者と別人?写真に合成の痕跡

 昭和63年に日本海で行方不明になった鳥取県米子市の矢倉富康さん=失跡当時(36)=と、北朝鮮の放送局の日本語アナウンサーとされる男性が似ているとして、同一人物かどうかを調べている政府が、「2人は別人」との見方を強めていることが14日、分かった。男性は北朝鮮に渡った在日朝鮮人の可能性があり、政府が鑑定した男性が写った写真は合成の疑いも浮上している。

 公安当局は、写真が日本側にもたらされた背景に、北朝鮮側の何らかの意図があるとみて分析を進めている。

 矢倉さんは、拉致被害者を調べている特定失踪(しっそう)者問題調査会が「拉致濃厚」としている一人。元エンジニアで、63年8月2日、日本海へ1人で漁に出たまま消息を絶った。

 調査会は、訪朝した平壌放送の愛聴者らが平壌・高麗ホテルで撮影されたスナップ写真を、7月上旬に入手。そこに写っていた男性の一人が矢倉さんと酷似していたことや、専門家が「同一人物の可能性が極めて高い」との鑑定結果を出していたことなどから、男性の顔写真を公表し、「男性が矢倉さんである可能性が高い」と発表した。

 調査会によれば、男性は朝鮮中央放送委員会に所属する日本語アナウンサーで、「慎範(シンボム)」と名乗ったといい、訪朝した日本人らの通訳として応対したとされる。

 一方、政府も同じ写真を入手しており、矢倉さんの写真との鑑定や、男性の人物調査を独自に進めていた。政府関係者によると、写真には「2007・3・15」の日付がついており、男女6人が写っている。「慎範」は左端。

 だが、「慎範」と他の数人にはピントにずれがみられるなど複数の画像合成のような痕跡がみられることが判明した。さらに、「慎範」についての関係当局の調べで、帰国事業で北朝鮮に渡った在日朝鮮人男性である可能性が高まっており、現在も北朝鮮に住んでいるのかなど、詳しい調査を進めている。政府関係者は「矢倉さんと男性を同一人物とみるには相当の疑念が残る」としている。

 矢倉さんと「慎範」をめぐっては、漆間巌・前警察庁長官が8月の離任会見で、「(北朝鮮で撮影された写真の男性と)似ているとの指摘があるが、多少間違いがあるだろう。拉致と認定する材料はなく、それ以外の材料を持っている」と述べていた。

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