日米が制裁の修正案を配布 制裁色薄め | trycomp2のブログ

日米が制裁の修正案を配布 制裁色薄め

 【ニューヨーク坂東賢治】国連安全保障理事会は14日夜(日本時間15日朝)、北朝鮮のミサイル発射について非公式協議を開き、日米などが制裁決議案の修正案を提出した。ミサイル発射が「平和と安全への脅威」との認定は避け、制裁色を薄めた。しかし、中国が反対する国連憲章第7章(平和への脅威)への言及を残しており、再修正の可能性が残されている。

 議長国フランスは15日午後3時(日本時間16日午前4時)に再度、非公式協議を開くことを決めた。日米は開会直後の採決を求めている。しかし中国の王光亜国連大使は「第7章がある限り、拒否権を投じる」と明言しており、拒否権行使を回避し、安保理の一致した対応を図るため、第7章の削除を求める声が安保理内で高まる可能性もある。

 日本の大島賢三国連大使は協議後、第7章を維持する方針を表明したが、「(修正案は)最終的な結論ではなく、協議は続く」と再修正に含みを残した。ボルトン米国連大使も「第7章がなくても強制力を持たせることは可能だ」と語った。

 修正された決議案は、経済制裁や武力行使とは直接、結びつかない「暫定措置」について定めた第7章第40条への言及に限定。さらに、制裁決議の要件となる「平和と安全への脅威」の認定を避け、北朝鮮非難の表現を和らげた。制裁色の強い非難決議ともいえる内容だ。しかし、王大使は「40条は41条(経済制裁)や42条(軍事行動)につながりうる」と述べ、あくまで認めない考えを示した。

 日本と常任理事国(米英仏中露)の5カ国大使は15日も朝からぎりぎりの折衝を続ける方針。ただ国連外交筋によると、中露とも15日の採決に前向きな姿勢を示しており、第7章をめぐる合意ができれば、同日中に採択される見通しだ。日米などは5日のミサイル発射から時間がたった上、15日から主要国首脳会議(サミット)が始まることから、週内採択を目指してきた。

 【ニューヨーク坂東賢治】日米などが14日提出した北朝鮮制裁決議修正案の要旨は次の通り。

 一、北朝鮮が核兵器の開発を宣言していることから、発射が地域の平和、安定、安全を危険にさらすことを確信する。

 一、国連憲章第7章第40条に基づき次の通り行動する。

 一、北朝鮮が06年7月5日に弾道ミサイルを複数回発射したことを非難する。

 一、北朝鮮の弾道ミサイルに関するすべての活動の停止と、発射凍結の再確認を求める。

 一、加盟国に北朝鮮のミサイルと大量破壊兵器に貢献するようなミサイルとミサイルに関する物資と技術の移転を防ぐよう求める。

 一、加盟国に北朝鮮からのミサイル開発に関する物資、技術の移転を防ぎ、ミサイルと大量破壊兵器にかかわる資金の移動を防ぐよう求める。

 一、特に北朝鮮が緊張を悪化させるような行動を慎み、政治的・外交的な努力で不拡散の懸念の解決を強調する。

 一、北朝鮮に対し、無条件の6カ国協議への復帰、05年9月の共同声明の履行、核兵器の廃棄、開発計画の放棄を強く求める。

 一、6カ国協議の早期再開を支持し、参加国が朝鮮半島の非核化を目指した共同声明の履行に力を入れるよう要求する。

 【ことば】国連憲章第7章第40条

 国連憲章第7章に基づき、安全保障理事会は国際の平和と安全を維持、回復するため、強制措置をとることができる。強制措置は経済制裁から国際的な軍事行動まで多岐にわたるが、第40条では事態の悪化を防ぐため、措置などを決定する前に安保理が「暫定措置」に従うよう関係当事者に要請することができる、と規定。また、経済制裁や国交断絶などの非軍事的措置(第41条)を加盟国に要請でき、不十分な場合は軍事行動(第42条)を認めている。

毎日新聞 2006年7月15日 15時00分 (最終更新時間 7月15日 15時29分)
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