安倍首相が辞意 突然表明に困惑広がる
安倍晋三首相は12日、インド洋での海上自衛隊の給油活動継続のめどが立たないことや、閣僚らの相次ぐ不透明な政治資金処理問題などで国政が混迷した責任を取って、辞任する意向を自民党幹部に表明した。首相は辞任の理由について「自らの求心力がない」と与党幹部に述べた。首相は午後、記者会見する。参院選での自民党惨敗にかかわらず続投を選択したことへの批判が根強かった。ただ臨時国会が開会されたばかりの突然の辞意表明に政界で困惑が広がっている。
首相の辞意を受け、12日の衆院本会議での代表質問は流会の見込み。自民党は早期に新総裁を選出する。安倍首相を支えてきた麻生太郎幹事長らを軸に後継選びが進むものとみられる。
首相は選挙後も「改革を続行することが私の責任だ。政治空白をつくるべきではない」と、引き続き政権を担う方針を強調。党役員人事、内閣改造で「人心一新」を図り、政権の立て直しをしたばかりだった。
今月9日の訪問先のシドニーでの記者会見では、海上自衛隊の活動継続に「職を賭する」と発言、実現しない場合に退任の考えを示していた。ただ民主党の反対は強く、活動継続の見通しは立っていない。
また8月27日の改造直後に遠藤武彦農相が組合長理事を務める農業共済組合で国からの補助金不正受給が発覚し、遠藤氏は辞任。さらに鴨下一郎環境相、上川陽子少子化担当相と相次いで不透明な政治資金処理問題が発覚。野党側は首相の任命責任を問題視し、問責決議案提出も視野に攻勢を強めていた。
安倍内閣は昨年9月26日に発足。小泉純一郎前首相の靖国神社参拝で冷えきっていた中韓両国との関係改善に着手。教育基本法改正、憲法改正のための国民投票法制定など、「戦後レジーム(体制)からの脱却」に取り組んだ。
しかし、昨年12月に政治資金問題で佐田玄一郎行政改革担当相が辞任。今年5月には事務所の光熱費問題などを問われた松岡利勝農相が自殺。さらに原爆投下発言で久間章生防衛相、松岡氏の後任である赤城徳彦農相がそれぞれ辞任するなど、閣僚のスキャンダル、失言が相次いだ。
年金記録不備問題への対応への批判もあって、7月29日投開票の参院選では自民党の獲得議席が37まで落ち込む歴史的な敗北を喫した。
(共同)
東京新聞:安倍首相が辞意 突然表明に困惑広がる:政治(TOKYO Web)