6カ国協議:送金問題で休会 中国の威信低下必至
【北京・大塚卓也】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」から中国銀行への北朝鮮資金の送金問題が障害になり、再び休会に追い込まれた。国有銀行の中国銀行が北朝鮮資金の受け入れに難色を示したことで、中国政府内で6カ国協議を進展させたい外務省と、国際慣行に沿った市場環境整備を急ぐ金融監督当局の調整欠如が表面化した形だ。米朝間を仲立ちしてきた中国政府の威信低下は避けられない。
BDAから中国銀行への送金が滞っていることについて、韓国の聯合ニュースは22日、約2500万ドルの北朝鮮資金の口座名義人への同意手続きに加え、国際的な信用低下を憂慮する中国銀行が反発していると伝えた。中国外務省の劉建超報道局長も記者会見で「技術的かつ手続き上の問題」と述べながらも、「その難度は予想を超えており、関係方面との意見調整には一定の時間が必要」と認めた。
4大国有銀行の一つである中国銀行は、発行済み株式の6割以上を政府機関が保有しており、政府の影響力は強い。しかし、昨年6月に世界的金融市場である香港に株式を上場するなど国際基準に沿った経営態勢の整備を進めている。政府の指示があっても不透明な取引には市場からの批判が避けられない制約がある。
中国政府は一方で、世界貿易機関(WTO)の規則に沿って金融機関の国際組織への加盟を急いでいる。今年1月からマネーロンダリング法を施行し、資金洗浄が疑われる取引への罰則を強化したのは温家宝首相の強い意向だったとされる。高度の外交判断とはいえ、中国銀行が北朝鮮資金を簡単に受け入れられないのはそのためだ。
BDAにある北朝鮮関連資金の凍結を解除し、中国銀行に移管するとのシナリオは、中国外務省の主導で進められたとみられる。だが、中国銀行に出資する外資系銀行の幹部は、毎日新聞の取材に「米国が一部の不法性を認めた資金を受け入れるとすれば、あくまで超法規的な措置。金融監督当局の認可が必要だ」と語り、外務省が事前に金融当局とのすり合わせを怠っていた可能性を示唆した。
毎日新聞 2007年3月22日 22時00分
MSN-Mainichi INTERACTIVE 国際