中朝、接近加速 貿易額過去最高、北に資本進出 韓国は警戒感 | trycomp2のブログ
中国の北朝鮮への経済浸透に韓国が神経質になっている。昨年の中朝貿易は十五億八千万ドルと過去最高を記録し韓国を五億ドル上回った。貿易増加に加え、中国は地下資源の開発権や港湾施設の長期使用権を獲得している。急激な中朝接近は何を意味するのか。(ソウル 久保田るり子)
≪資源採掘≫
韓国の大韓貿易投資振興公社などの調査では、中朝貿易は過去三年間、毎年30%以上伸びており、中国は北朝鮮の貿易相手として断トツの一位だ。
「平壌のラーメンからシャツ、靴の85%が中国製」というほど日用品が大量に流入し、これに伴い中国人も増え、「平壌に行けば、あちこちから中国語が聞こえる」といわれる。原油などエネルギーの約87%(二〇〇四年)を中国に依存、肉や穀物、機械類、コンピューターに至るまで中国産だ。
さらに韓国が神経をとがらせているのは資本進出だ。二〇〇五年十月の胡錦濤国家主席訪朝でガラス工場(二千四百万ドル)を無償支援し、友好関係をアピールしたのを契機に、資源採掘権やインフラの使用・運用権の獲得が目立つ。
この二年間で、吉林省の中国企業三社が約九億ドルで北朝鮮北部にある茂山鉱山の向こう五十年間の開発独占権を契約。企業集団の「五鉱集団」が平安北道のヨンドン炭鉱の採掘権(契約金不明)を獲得した。このほか、中国企業が約一億ドルで北朝鮮北東部、羅津港の埠頭(ふとう)の五十年間独占使用権を契約したり、平壌市内のデパート三店、ホテル二軒の共同運用権を契約したケースもある。
≪東北4省≫
「特殊関係から相互主義へ」-韓国では胡錦濤国家主席の中国の対北政策について、(1)北朝鮮崩壊による混乱を回避する(2)北朝鮮に対する影響力を確保する(3)中朝の社会的な異質化の防止をする-などと見る。「社会的異質化の防止」とは、市場経済化へ加速する中国が、統制経済にとどまる北朝鮮を改革開放へ誘導することを指している。
北朝鮮進出が、中国が進める東北三省(遼寧、吉林、黒竜江各省)の経済開発に欠かせず、中国は北朝鮮を「四省」に位置づけているのではないか-との「東北四省説」も有力になりつつある。
「中国にとって北朝鮮を東北部開発の同伴者とすることは、物流、人件費など相乗効果が大きい。経済的影響力の拡大は“ポスト金正日”もにらんだ中国の外交目的でもある。中朝は利害が一致している。一方、韓国は両国の接近に干渉できないのはもちろん、韓国の対北投資には北朝鮮が警戒感を持ち、韓国内世論に懐疑論もあるため、限界がある」(高麗大南北経済研究所の南成旭所長)
一方、中朝接近による北朝鮮の安定は韓国にとって歓迎すべきこととの見方もある。
「経済的にみると、北朝鮮は対中依存というより、中国に限定した形の改革開放路線を取っている。この中国指導部が考える北朝鮮の安定化は、北東アジアの政治的なリスクの軽減につながる。また将来の南北統一に向けた韓国の平和政策にも寄与するだろう」(サムスン経済研究所の李貞●・首席研究員)
≪南北共同≫
南北朝鮮も着実に結び付きを強めている。四月の南北閣僚級会談で韓国側は、朝鮮戦争の休戦協定上、中立水域となっている漢江河口の共同利用を提案、北朝鮮側は前向きと伝えられる。今月初めの経済協力推進委員会実務協議では北朝鮮側は亜鉛やマグネサイト、石炭など地下資源への投資・開発権を韓国側に売り込んだ。
五月十八日からは金大中前大統領の訪朝問題の協議が行われる予定で、六月十五日の南北共同宣言六周年行事は韓国・光州で、光復節(八月十五日、日本統治からの解放記念日)の共同行事は北朝鮮側で開催することがすでに合意されている。
南北、中朝経済接近は加速の一途だ。日米と中韓の対北政策の違いは際立ち、ここに北朝鮮の生き残り策がある。
●=徹のぎょうにんべんをサンズイに
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Sankei Web 産経朝刊 中朝、接近加速 貿易額過去最高、北に資本進出 韓国は警戒感(05/10 05:00)
