「平壌の夜は真っ暗だ」NYフィル公演で米メディア | trycomp2のブログ
ニューヨーク・フィルハーモニックの北朝鮮公演には世界中のメディアが同行した。特に多くの米メディアは、2000年10月のオルブライト米国務長官(当時)の訪朝以来、7年半ぶりの平壌入りとあって、わずか48時間の滞在を最大限生かそうと、紙媒体に限らずブログなどネット媒体も縦横に駆使し、“閉ざされた国”から大量の記事を発信している。(田北真樹子)
今回の訪朝団は楽団員をあわせて約400人(米紙ニューヨーク・タイムズ)で、うち報道陣は約80人の記者とTV制作関係者ら。1953年に朝鮮戦争が停戦となって以降、楽団員を含めて米国からこれほど大規模な訪問団が北朝鮮入りするのは初めてだ。
「オーケストラの訪朝は半世紀にわたる(両国間の)文化的断絶の雪解けの兆候」(ニューヨーク・タイムズ紙電子版)
「NYフィルはバイオリン外交を北朝鮮にもたらした」(AP通信)
NYフィルの北朝鮮公演について、26日の現地からの報道ぶりはおおむね前向きだった。確かに北朝鮮の歓待ぶりは米朝の“雪解け”とも取れる雰囲気を醸している。
訪朝団が平壌に到着した25日午後。北京からのチャーター機を迎えたのは大勢の北朝鮮メディアだった。NYフィル音楽監督のロリン・マゼール氏が飛行機を降りると、集まった現地メディアと同行記者団がマゼール氏の周りに殺到し、北朝鮮当局者でさえ手に負えないほどの混乱となった。
報道陣を含む代表団は万寿台芸術劇場での歓迎行事に続き、人民文化宮殿での食事会に出席。豪勢な朝鮮料理だけでなくローストサーモンなどが振る舞われた。26日には、報道陣は当局の随行付きながら、平壌市内の地下鉄や学校なども観光した。
いずれの米メディアも北朝鮮の歓待ぶりを詳しく報じたが、核問題や人権問題をめぐる北朝鮮の対応に言及することも忘れていない。
ワシントン・ポスト紙(電子版)は「米国を悪魔呼ばわりする政府に敬意を表したくない」という声が楽団内にあることを紹介。ロサンゼルス・タイムズ紙も訪朝計画が持ち上がった当初、「訪朝前に人権問題が多少改善されるべきだ」といった声が出たことを指摘している。
また多くのメディアは、米朝関係の先行きを必ずしも楽観視していない。ウォールストリート・ジャーナル紙記者のブログは「ホテルの窓から見る平壌市内の景色はすばらしかった。夜遅くに部屋に戻ると首都は真っ暗。街の周りの明かりは視界から消えてしまった」。北朝鮮は実際のところ、何も変わっていないことを伝えている。
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