米、テロ支援国解除の用意伝達 1月の協議で北朝鮮に
【ニューヨーク9日共同=川北省吾】米国のプリチャード元朝鮮半島和平担当特使は九日、米政府がベルリンで今年一月に核問題をめぐる北朝鮮との二国間協議をした際、北朝鮮が核施設を使えない状態にする「無能力化」の履行段階に入ればテロ支援国家指定を解除する用意があると伝えていたと明言した。ニューヨークの非営利団体「コリア協会」で講演した。
米政府は最近、拉致問題の進展がなければ指定を解除すべきではないとの日本の立場に配慮、解除決定には「長い時間がかかる」と公式に表明している。元特使の発言が事実とすれば、今年初めの時点では拉致問題とは関係なく、解除可能との立場を北朝鮮側に伝えていたことになる。
元特使によると、米国のヒル国務次官補と北朝鮮の金桂冠外務次官はベルリン協議で、北朝鮮・寧辺にある核施設の稼働停止・封印など「初期段階措置」の履行過程で指定解除に向けた作業を始め、次の「無能力化」の段階で「完全に(テロ支援国家リストから)削除する」ことで合意した。
米国は二〇〇三年の国際テロ年次報告書で、北朝鮮のテロ支援国家指定理由の一つに日本人拉致を初めて明記。元特使は当時の判断について、ブッシュ大統領と小泉純一郎前首相の「特別な関係」が背景にあり、米政府が「譲歩」したと明言した。
その上で、米政府は現在、七月末の参院選で歴史的惨敗を喫した安倍政権が「いつまで持つか注視している」と述べ、日本の政治状況や北朝鮮の出方次第で指定解除に向けた動きが再浮上する可能性を示唆した。
中国新聞ニュース