核申告めぐり米朝対立が表面化 濃縮ウラン…相次ぐ想定外
【ワシントン=有元隆志】北朝鮮の核に関する6カ国協議の合意に基づき、北朝鮮が昨年のうちに提出することになっていた核計画の申告をめぐり、早期申告を求める米国に対し、北朝鮮は「通報済み」と主張するなど米朝間の見解の違いが表面化した。ウラン濃縮計画やシリアへの核拡散など申告内容の対立が背景にあり、問題解決には時間がかることが予想される。米側は1月から核放棄など「最終段階」に関する交渉を開始したいとしてきたが、大幅に遅れる可能性が出てきた。
申告内容に関し、米朝はこれまで水面下で協議を進めてきた。米首席代表のヒル国務次官補は4日、北朝鮮が昨年11月に米側に申告を通報したと主張していることについて、一部通報を受けたことは認めたものの、「公式な文書ではなかった」と反論した。日本など協議参加国歴訪を前に、記者団に語った。
ヒル次官補は、北朝鮮が1回で「完全かつ正確な申告」を行うことはないとみて、何回か草案のやりとりを重ねることで、より正確な内容にしていく考えだった。
一方、北朝鮮にとり“誤算”だったのは、昨年9月のイスラエル軍によるシリア空爆だとされる。「(核を)移転しない」と約束することで決着を図ろうとしたものの、空爆で北朝鮮とシリアとの核協力疑惑に注目が集まり、議会からも真相を明らかにするよう求める声が強まった。
また、先月、米紙ワシントン・ポストが伝えたように、米に提供したアルミニウム管のサンプルから、濃縮ウランの痕跡がみつかったことも、北朝鮮にとっては想定外だっただろう。北朝鮮は「通常兵器の開発につい買うつもりだった」と説明するため、「溶けたアルミニウム管の小さなサンプル」を提供したというが、思惑とは逆に、米側の疑念をさらに強める結果となった。
ヒル次官補は7日から日本などを訪れ、今後の対応を協議する。参加国の間には米朝間だけでまとめようとしてきたヒル次官補に対し、冷ややかに見方も強いだけに、米側の立場に理解を求めるねらいがある。
6カ国協議の米次席代表をつとめたジョージタウン大のビクター・チャ教授は、「核施設の無能力化だけで、申告がないまま終わることは避けなければならない。北朝鮮にとって申告は大きな決断であり、多少時間がかかっても、この問題の解決のため取り組むべきだ」と語る。
「核申告めぐり米朝対立が表面化 濃縮ウラン…相次ぐ想定外」世界から‐南北アメリカニュース:イザ!