広島修道大教授に北朝鮮問題を聞く | trycomp2のブログ

広島修道大教授に北朝鮮問題を聞く

 ▽「対米」姿勢を強調 日本、対話ルート残せ

 北朝鮮のミサイル発射の意図と国際社会がどう対応するかの見通しなどについて、朝鮮半島を中心とする国際政治に詳しい菱木一美・広島修道大法学部教授に聞いた。(伊東雅之)

 ―この時期になぜ発射したのでしょうか。

 米国時間では七月四日。米独立記念日にあえて発射することで「圧力を強める米国に屈しない」という意思を表したのではないか。発射された中に中距離の「ノドン」があるなら拉致問題などで対立する日本へのメッセージも込めたのだろう。

 ―北朝鮮に強行のメリットはあるのですか。

 北朝鮮は、ミサイル技術の向上を優先課題にしている。前回のテポドン発射で、技術的に不十分であることが判明していた。北朝鮮が最も恐れているのは米国の核兵器とミサイルで、米国に届くミサイルを持つことが抑止力と考えている。外交的な意図もある。将来、ミサイルを放棄することになってもより有利な条件を引き出せる、と考えている。

 ―国際社会から厳しい反応が出ています。

 制裁を主張するのは主に米国、日本。中国やロシアは自制を求めてきたが追い込むようなことはないだろう。米国は金融制裁を継続し、国連安全保障理事会付託は求めるだろう。だが、「直接の脅威ではない」と強硬姿勢を回避するような発言を既に表明している。急激に押さえ込むような行動はしないと思う。現在の北朝鮮経済は中国の影響を大きく受けている。中国が制裁に本気だったらとても発射はできない。北朝鮮は国際情勢を計算している。

 ―日本も制裁措置に踏み切りました。

 制裁に踏み切ったものの、北朝鮮を支援する中国や接近する韓国との間に、くさびを打ち込まれることになりかねない。拉致問題の解決を最大の目標にしている日本は対話のチャンネルを完全に切ってしまうことは避けるべきだ。

 ―今後の見通しはどうでしょう。

 六カ国協議の再開は難しくなった。こうした状況は、核やミサイル開発の時間を与えることになり、北朝鮮に有利に働く。ただ、北朝鮮が自らの軍事力を過信し、国際社会の許容の限度をさらに超える行動に走れば、米国の軍事介入を招く可能性がある。

 ひしき・かずよし 1936年生まれ。63年、共同通信社に入社。ソウル、ニューヨーク、ワシントン各特派員、論説副委員長など歴任。98年から現職。訳書に「二つのコリア」など。

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