「日本人拉致聞いたことがある」 米国公演の脱北者芸術団員が証言 | trycomp2のブログ

「日本人拉致聞いたことがある」 米国公演の脱北者芸術団員が証言

【スプリングフィールド(バージニア州)=有元隆志】北朝鮮から脱出した脱北者による芸術団が現在、米国各地を公演している。米国の人たちに北朝鮮の実情や文化を知ってもらうと同時に、収益を脱北者の支援にあてるためだ。団員の一人は北朝鮮にいるとき、日本人拉致事件のうわさを聞いたことがあると産経新聞に証言した。

 拉致事件のことを知っていると語ったのはチョン・ソンヒさん(31)=仮名。2006年6月に中国経由で韓国に逃れた。北朝鮮にいるときは北東部の咸鏡南道芸術団の一員だった。

 ソンヒさんは詳しい年は覚えていないとしながらも、子供のときに拉致事件についてのうわさを母から聞いたという。

 ソンヒさんの住んでいた村には、日本からの帰還者が集まって住んでいたところがあった。「帰還者の一人が母の友人で、拉致について話しているのを聞いた」とソンヒさん。拉致被害者に会ったことはないという。

 脱北者問題に取り組んできた関係者はこの証言について、「帰還者は監視されていたこともあり、発言には気を配っていたはずだから、ソンヒさんの母とはよほど親しかったのだろう」と語る。

 ソンヒさんが芸術団の一員として忘れられないのが、1993年7月27日に平壌で行われた「対米戦争勝利(朝鮮戦争休戦)40周年記念日」の式典に参加し、故金日成主席、金正日書記(当時)の前で合唱したことだ。

 式典のため2カ月以上前に平壌入りし練習を重ねた。ソンヒさんは当時の心境について「最高に光栄だった」と振り返る。

 しかし、その後北朝鮮を襲った食糧危機でソンヒさんの生活は苦しくなる。「95年以降、給料が出ないときもあった。父に加え軍隊にいた兄も相次いで死亡し、家計を支えるのに苦労した。悩んだ末、北朝鮮から出る決意をした」と語る。

 ソンヒさんは現在、仲間の団員約10人とともに、伝統的な北朝鮮の民族音楽を演奏して回る日々だ。南部ジョージア州から始めた公演は、ワシントン周辺、ニューヨーク、ロサンゼルスなど、1月末まで50回以上行う予定という。

 芸術団を率いるマ・ヨンエさんは「公演の収益を中国でさまよう脱北者、孤児、とくに人身売買された女性たちを助けるためにあてたい」と話している。

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