北朝鮮・拉致問題:2児拉致 女工作員に逮捕状 北朝鮮から金無心
北海道出身の主婦、渡辺秀子さん(失跡当時32歳)の2児が北朝鮮に拉致されたとみられる事件で、警視庁公安部は26日、拉致事件の舞台となった東京都品川区の貿易会社「ユニバース・トレイディング」(78年解散)の元役員で、拉致を主導した工作員とみられる木下陽子容疑者(59)に対し、国外移送目的略取容疑などで逮捕状を取った。同部は警察庁を通じ、同容疑者の国際手配の手続きに入った。北朝鮮をめぐる一連の拉致事件で、逮捕状が出るのは、これで7事件9人目。
調べでは、木下容疑者は74年6月中旬の午後10時ごろ、配下の工作員3人に命じ、渡辺さんの長女高敬美ちゃん(当時6歳)と長男の高剛ちゃん(同3歳)を福井県小浜市の海岸から工作船で北朝鮮に連れ出した疑い。
木下容疑者は、日本国籍を持つ拉致の実行グループの男(60)と77年6月に結婚。日本籍を取得後、離婚したが現在も日本国籍を保有している。また洪寿恵(ホンスへ)名で外国人登録していた。
木下容疑者は元夫とともに79年5月、香港に出国、現在まで日本への入国は確認されていない。
公安部によると、同容疑者は日本にいる親族に対し、00年以降100万円単位で金の無心を続けており、現在も北朝鮮で生存していることが確認されている。金の送り先の住所は平壌市内だった。
また、知人に依頼した送金先には米国による金融制裁の対象となっていた金融機関の口座もあったという。
元社員の証言から、渡辺秀子さんは74年3月中旬ごろ、東京都目黒区の工作員らが暮らすマンションで殺害された可能性が高く、木下容疑者が秀子さん殺害も指示した疑いも持たれている。
毎日新聞 2007年4月26日 東京夕刊
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