米、CTBT拠出金を延滞 北朝鮮の核検証経費確保で
米国が包括的核実験禁止条約(CTBT)機構への拠出金を延滞し、投票権を停止されたことが27日までに分かった。米政府当局者は理由の一つとして、北朝鮮の核放棄プロセスが進んだ場合に備え、検証措置の経費を確保しておく必要があるためと言明した。
CTBT機構は核実験を感知するための国際監視制度(IMS)の下、世界各地に観測施設を建設中だが、大口拠出国の米国の滞納で観測網拡大に支障が出るとの懸念が広がりそうだ。
同当局者によると、米国の未払い額は今年末までに計約2900万ドル(約35億円)に上る見込み。未払いの理由は「競合する優先事項」がいくつかあるためだと述べ、その一例として北朝鮮の核放棄検証経費を挙げた。具体的な額は明らかにしなかった。
北朝鮮は6カ国協議で合意された核放棄に向けた初期段階措置を依然履行していないが、当局者は「協議が進展し、何らかの検証措置が求められた場合、直ちに動けるようにする」必要があると説明。CTBT機構の投票権が停止されても、実質的な問題はないと述べた。
IMSは核爆発を監視するため、世界各地の観測所で大気中の放射性物質や地震波などをとらえるシステム。最終的に321の観測所を建設する計画だが、現在完成しているのは約240カ所。津波の早期警戒などにも利用されている。
米国はCTBT署名国として同機構のメンバーとなっているが、ブッシュ政権はCTBT批准を拒否。政権内では同機構への拠出に批判的な意見が根強い。(共同)
米、CTBT拠出金を延滞 北朝鮮の核検証経費確保で|米国|国際|Sankei WEB