前途多難の無能力化 妥協の産物の合意文書 6カ国協議 | trycomp2のブログ

前途多難の無能力化 妥協の産物の合意文書 6カ国協議

 【北京=有元隆志】6カ国協議は30日、核施設の無能力化と核計画の完全申告の12月31日までの年内履行を明記した合意文書案で暫定合意に達したものの、無能力化の方法をめぐり協議が難航した。仮に北朝鮮が再稼働させようとした場合に必要となる期間をめぐる調整は残ったが、「年内履行」という合意づくりを優先した格好だ。無能力化を核放棄に向けた中間段階と位置づけたい米国と、核開発再開の余地を残したい北朝鮮との思惑の違いに目をつぶった妥協の産物といえそうだ。

 2009年1月までのブッシュ大統領の任期中に北朝鮮の核問題解決を目指す米国は、今後の交渉に弾みをつけるためにも、9月の米朝関係正常化作業部会で合意した年内の無能力化実現にこだわっていた。ヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が、協議終了後、文書案を「極めて良い詳細な内容だ」と記者団に評価してみせたのも当然といえる。

 ヒル次官補は「2002年に北朝鮮が核施設の再稼働に要した期間は2カ月だった。当時は無能力化というのがなかった」と説明。核施設の凍結に止まったクリントン政権下の米朝枠組み合意(1994年)よりも、再稼働に必要な期間が長くなることで「前に進んでいる」と強調した。

 しかし、実施方法をめぐって米国は核施設から取り外した主要機器の海外運搬を主張したが、北朝鮮は国内保管に固執した。協議筋は「海外に運び出すことは北朝鮮にとり核解体を意味し、受け入れられないとの姿勢だった」と語る。文書案は公表されていないが、機器の北朝鮮国内での保管が明記された場合、「早期に再稼働できることを意味し、無能力化とはいえない」(核専門家)との指摘もある。

 また、米国は再稼働を北朝鮮が決めたとしても、少しでも時間がかかるよう追加的な措置を求めているのに対し、北朝鮮は難色を示し、調整が難航した。北朝鮮は無能力化措置の開始に向けて専門家派遣を受け入れるというが、具体的措置の検討はこれからだ。

 一方、協議筋によると、北朝鮮側がテロ支援国家の解除時期の明記を求めたのに対し米側は反対した。北朝鮮の要求通り解除に応じた場合、日米関係が悪化するとの危惧(きぐ)があったためだ。

 6カ国協議の存在意義を維持するため共同声明づくりにこだわった中国が、解除時期を明記しない案を作ったものの、北朝鮮が最終的に文書を受け入れるかどうかはなお不透明だ。

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