在日団体和解 拉致とどう向き合うか | trycomp2のブログ
在日韓国・朝鮮人の二つの団体が、半世紀余りにわたる対立関係に終止符を打ち「和解」の道を歩むことになった。
韓国を支持している在日本大韓民国民団(民団)と北朝鮮支持の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)のトップが初めて会談を行い、合意したものだ。
だが、民団の新潟県地方本部が北朝鮮による拉致問題を理由に中央本部決定に従わない方針を決めるなど、早くも前途の険しさをうかがわせている。本当に対立を乗り越え協調していけるのか、今後の動向を注意深く見守りたい。
民団と朝鮮総連は、東西冷戦により朝鮮半島が二つの国家に分断された歴史を背景に反目を続けてきた。根深い対立は在日社会にも暗い影を落とす。
二〇〇〇年六月の南北首脳会談を契機に韓国と北朝鮮の間では協力機運が急速に高まっている。今回の和解はそうした本国の事情を反映したものだろう。
在日社会で三世、四世が増え、若い世代の組織離れが進んでいることへの危機感も背景にあったようだ。特に朝鮮総連は、〇二年の日朝首脳会談で金正日総書記が日本人拉致を認めて以降、脱退者が急増しているといわれる。
助け合うべき同じ民族が本国の体制の違いからいがみ合っているのは不毛であり、不幸なことだ。今回の合意が対立克服につながってほしいと切に思う。
とはいえ、懸念もぬぐえない。共同声明は総論を並べただけで、難しい問題に触れていない。具体的にやるのは、植民地支配からの解放を祝う「8・15記念祝祭」を一緒に開くことぐらいだ。
課題はもっとほかにある。民団と朝鮮総連とで意見が対立している定住外国人の地方参政権問題にどう対処するか。本国との関係は見直すのか、それともこれまで通り直結の形を続けるのか。
民団が取り組んできた脱北者への支援活動がどうなるかという新たな問題もある。和解と引き換えに支援をやめてしまったら、共同声明がいう「歴史的」な意義が損なわれるだけだろう。
最大の課題は、拉致問題とどう向き合うかだ。民団の新潟県地方本部は朝鮮総連に対し、拉致問題の解決へ具体的な取り組みを求めている。真の和解がなるかどうかは、拉致問題への対応にかかっているといっても過言ではない。
共同声明は、和解により在日の人々の地位向上に一層努めるという。それならば、北朝鮮による人権侵害である拉致問題も直視しなくてはならない。日本社会に根を下ろし、日本人とともに生きていくためには避けて通れない道である。
[新潟日報5月21日(日)]
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