6カ国協議:北朝鮮核停止で合意 見返り重油5万トン
【北京・堀山明子】6カ国協議は13日午後、北朝鮮核廃棄に向けた「共同声明(05年9月)の履行への初期段階措置」について合意文書を採択し、6日間の協議を閉幕した。文書には、北朝鮮が取るべき初期段階措置を2段階に分け、(1)寧辺(ニョンビョン)の実験用原子炉など核施設を60日以内に閉鎖すれば、参加国は重油5万トン相当のエネルギーを提供(2)核施設を再稼動できない状態に「無能力化」すれば、重油100万トン相当(5万トンも含む)のエネルギーや人道支援を提供することが確認され、非核化への行動計画が具体化した。日朝関係正常化など五つの作業部会は30日以内に開催することでも一致し、拉致問題を含む日朝正常化交渉が6カ国協議の枠組みで制度化されることになる。
次回6カ国協議は3月19日に開かれる。
合意文書によると、60日以内に北朝鮮がやるべき措置は(1)実験用原子炉やプルトニウム再処理施設などを含む核施設を閉鎖・封印し(2)国際原子力機関(IAEA)の査察官を復帰させ(3)すべての核計画の目録を示し、参加国と協議を行う。
北朝鮮への見返りは、重油5万トン相当の支援のほか、米国は(1)テロ支援国家指定の解除(2)北朝鮮との貿易を規制した敵国通商法を終了--へ向けた作業を開始することにした。
エネルギー支援の費用分担については、別途文書で「平等原則」が確認されたが、日本については「(拉致問題の)懸案解決後、参加を期待する」と述べるにとどまった。佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は13日、「完全な非核化に向けた大きな一歩を歩み出した」と合意文書を評価する一方、エネルギー支援については「当面参加できない」と語った。
また、閉鎖の次の措置として北朝鮮は、使用後の核燃料棒から抽出したプルトニウムを含むすべての核計画を申告し、原子炉やプルトニウム再処理施設を無能力化させるとした。
作業部会は(1)朝鮮半島非核化(2)米朝関係正常化(3)日朝関係正常化(4)経済・エネルギー協力(5)北東アジア平和安保体制の五つ。非核化部会は中国、エネルギー協力部会は韓国、平和安保体制部会はロシアが議長を務める。
初期段階措置は、昨年10月の北朝鮮核実験を踏まえ、核兵器増産につながる核施設の稼動中止を最優先課題として交渉した。しかし、現存する核兵器の廃棄については言及がなかった。
◇ 寧辺の核施設 北朝鮮平安北道寧辺にある中心的な核施設で、▽5000キロワット実験用黒鉛減速炉▽建設中の5万キロワット黒鉛減速炉▽核再処理施設の放射化学研究所▽使用済み燃料貯蔵施設--などがある。94年の米朝枠組み合意に基づき、国際原子力機関(IAEA)が実験用原子炉などを封印した。だが北朝鮮は02年12月に封印を撤去しIAEAの査察官を追放した。03年1月には北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)脱退を宣言し、05年5月には8000本の使用済み燃料棒取り出し作業が終了したと表明した。
毎日新聞 2007年2月13日 21時20分 (最終更新時間 2月13日 23時20分)
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