日朝包括協議 正常化交渉テコに拉致動かせ | trycomp2のブログ
日朝両政府の包括協議が4日から北京で始まる。国交正常化交渉、拉致問題、核・ミサイルなど安全保障問題の三つの分野で協議会を設置し、各テーマについて並行協議する。
正常化交渉は02年10月以来3年3カ月ぶりだ。しかし、拉致問題を最優先する日本に対し北朝鮮は植民地支配に関する補償など「過去の清算」を重視しており、難航が予想される。
1991年1月に始まった正常化交渉は、北朝鮮による拉致や核開発問題が原因でたびたび中断された。今回初めて試みられる包括並行協議はこのことへの反省から日本側が提案したものだ。一つだけのテーブルでは特定の問題で暗礁に乗り上げるとすべての対話がストップしてしまう。そうした事態を避けるため、「過去の清算」も並行して話し合おうと誘い、北朝鮮が受け入れた。
拉致問題で日本は生存者全員の帰国と真相究明のほか、横田めぐみさんと地村保志さん夫妻の拉致も実行した疑いが出ている元工作員の辛光洙(シンガンス)容疑者らの引き渡しを強く迫る。拉致された疑いのある特定失踪(しっそう)者の安否情報も求める方針だ。
しかし、「拉致は解決済み」との立場を崩していない北朝鮮の壁は厚い。北朝鮮の狙いが、疲弊した経済の立て直しのため日本からの経済協力を早期に実現させることにあるのは明らかだ。
包括協議開始にあたっての双方の合意は「日朝平壌宣言に示された精神、基本原則に従い国交正常化を早期に実現するため、不幸な過去を清算し懸案事項を解決するための措置をとる」というものだ。北朝鮮はこれを都合よく解釈し、拉致や核・ミサイル問題にほおかむりして「過去の清算」を含む国交正常化交渉の先行を図ってくる可能性がある。
だが、02年9月に小泉純一郎首相と金正日総書記が署名した日朝平壌宣言には、経済協力は国交正常化の後に実施すると明記されている。平壌宣言を踏まえての本格的な日朝協議は今回が初めてとなる。拉致、核・ミサイル問題が未解決なままでは経済協力はあり得ないことを北朝鮮は認識すべきだし、日本は北朝鮮に誤解を与えないよう正常化交渉を突出させることは避けなければならない。
正常化交渉を取り巻く環境として、核問題の解決を図るための6カ国協議という多国間の枠組みが出来たことも新しい要素だ。米国は北朝鮮のマネーロンダリング(資金洗浄)にかかわった疑いがあるマカオの銀行への制裁措置を発動したが、日本もこうした北朝鮮の不法行為の問題を取り上げる方針だ。一筋縄ではいかない相手だけに、米韓などと連携し圧力を強めることも必要だ。
正常化交渉は16年目に入ったが、小泉首相の任期中に解決が図られるかどうかは不透明だ。交渉に臨む外務省の原口幸市・日朝国交正常化交渉担当大使以下約20人の代表団には、ポスト小泉政権へもつなげられる土台をしっかり固めてきてほしい。
毎日新聞 2006年2月4日 0時22分
社説:日朝包括協議 正常化交渉テコに拉致動かせ-話題:MSN毎日インタラクティブ
