北代表「一方的な核放棄ありえず」 日本に不快感も | trycomp2のブログ

北代表「一方的な核放棄ありえず」 日本に不快感も

≪中国の外交調整、困難さ増す≫

 【北京=野口東秀】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で北朝鮮の首席代表を務める金桂寛外務次官は北京市内で30日、「現段階で一方的な核放棄はありえない」と記者団に述べ、核放棄に向けた具体的行動を無条件に受け入れない姿勢を示した。協議議長国の中国は引き続き、米朝双方に歩み寄りを促す構えだが、外交調整は困難さを増している。

 金次官は「昨年9月の(6カ国協議)共同声明に盛り込まれた公約を履行する準備はある」としつつも、「いろいろな公約があるが、一方的な核放棄はない」と強調。米国のヒル国務次官補は29日までの米朝中協議で核放棄に向けた具体的行動を受け入れるよう伝えたが、金氏は、核放棄の見返りとして金融制裁解除やエネルギー支援などを求めたようだ。さらに「日本が協議に参加する資格があるのかというのがわれわれの考え。会う必要は感じない」と拉致問題解決を求める日本に不快感を示した。

 一方、ヒル次官補は同日、北京を出発する際、対北金融制裁の解除について「制裁から抜け出すには核計画から抜け出すことだ」と述べ北朝鮮の核放棄を要求、米国側が譲歩しないことを言明した。

 中国外交筋は、2日間にわたった米朝協議で「最も溝が開いたのは金融制裁問題だった」と指摘する。中国外務省の姜瑜報道官は同日の記者会見で、協議の成果や6カ国協議再開の見通しには言及せず、協議の早期再開と進展確保のため「各当事者が実際の行動を取る」ことを望むと繰り返すにとどまった。

 米朝双方に歩み寄りを促す中国だが、6カ国協議を来年に持ち越したり核放棄への道筋がつけられないなどの場合、批判の矛先は北朝鮮に原油の9割を供給するなど北朝鮮に影響力を行使できる立場の中国に向けられる可能性がある。

 中国の対北原油輸出は9月はゼロだったが、核実験が行われた10月は前年同月比68%増だった。援助は統計に反映されないため、原油供給の全容は不明確だ。しかし、国連制裁決議の履行と同時に、中国が6カ国協議再開への雰囲気づくりのため北朝鮮への「アメ」を用意したと受け取られても仕方がない。

 中国としては、北朝鮮に「ムチ」だけでなく「アメ」も利用し、6カ国協議再開を目指す構えとみられるが、状況によって今後、銀行の対北送金停止を解除する可能性もあり得る。その場合、国際社会の中国への信頼は揺るぎかねない。

 こうした中国の態度について北朝鮮は、6カ国協議の枠内にいる限り中国が全面的な圧力を加えることはないと考えているようだ。協議再開は北朝鮮の核放棄を意味せず、中国の専門家の間では「むしろ核開発の時間稼ぎに使われる可能性が高い」と協議の継続自体に悲観的な見方が支配的になりつつある。

(11/30 22:38)
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