松本京子さん拉致から30年
鳥取県米子市で昭和52年10月、松本京子さん=拉致当時(29)=が北朝鮮に拉致され、21日で丸30年を迎える。松本さんは来年60歳。「一緒に還暦を祝う同窓会を」と1日も早い帰国を祈る中学の同級生たち。家族や支援者は「解決には世論の力が必要」と訴えている。
「数えで60歳になる今年、還暦の同窓会を、という話もあったが『京子君と祝いたい』と来春まで待つことになった」。松本さん宅の3軒隣に育ち、一緒に中学を卒業した矢倉修さん(59)は同級生の思いを語る。「同窓生の会」代表としても救出活動を続ける矢倉さんは「みんなで温かく迎えたい」と話す。
一方、地元で松本さん拉致の調査を続けてきた支援団体「特定失踪者問題調査会」常務理事、妹原仁さん(52)は、北の核開発をめぐる交渉で米朝が歩み寄りをみせるなか「拉致への関心が薄らいでいる」と指摘。「(拉致被害者が帰国した)5年前のように関心を高めたい」と世論の後押しを期待する。
松本さんの母、三江さん(84)と帰りを待ち続ける兄の孟(はじめ)さん(60)は、「拉致問題に本腰を入れた安倍政権が1年で替わり、解決の糸口をどうやって探せばいいのか」と唇をかみしめる。
普段は京子さんの話を避ける2人。それでも12月になると、「帰って来たら食べられるように」と畑の大根で好物のたくあんを漬ける。孟さんは「拉致被害者の家族会に参加して外国へ訴えるなど、解決法を自分たちで考えなくては」と改めて決意を語った。
■松本京子さん拉致 昭和52年10月21日午後8時ごろ、鳥取県米子市和田町の自宅から近くの編み物教室へ行くと出たまま失踪。普段着で現金も持っていなかった。松本さんが男2人と話しているのを近所の住民が目撃。住民が声をかけると男は殴りかかり、松本さんを海岸方向へ連れ去った。現場に松本さんのサンダルの片方が残された。昨年11月、北朝鮮による拉致被害者として政府認定された。
松本京子さん拉致から30年(産経新聞) - Yahoo!ニュース