総連、民団和解 関係者「喜ばしい」拉致被害家族ら複雑な思い | trycomp2のブログ

総連、民団和解 関係者「喜ばしい」拉致被害家族ら複雑な思い

埼玉

 従来の対立から和解へと関係改善に乗り出した在日本大韓民国民団(韓国民団)と在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)のトップ会談。韓国民団県地方本部(さいたま市浦和区)と朝鮮総連県本部(同)の関係者からは「大歓迎だ」「喜ばしいこと」との声が上がる一方、県内の北朝鮮による拉致被害者の家族は「『和解』で拉致問題が解決に向け好転するのか分からない」と複雑な表情を見せた。

 県内の韓国民団と朝鮮総連を巡っては、今年4月に蕨市内で開かれた花見大会に約500人が参加するなど、2000年6月の南北共同宣言以降、敬老会や仮装行列のパレード行事など、地域での交流が増えていた。

 トップ会談を受け、韓国民団県地方本部の鄭平普(チョンピョンボ)団長は、「個人的には拉致や核の問題など北朝鮮の制度を賛成するわけではない」としながらも、「さらに交流がやりやすくなる面はあるだろう」と語り、朝鮮総連県本部の文八智(ムンパルチ)・国際部長も「わだかまりを捨て豊かで力強い在日同胞社会の構築を目指す」と話す。

 16日午前に共同声明への署名について関係者から連絡を受けたという朝鮮総連県南支部の申銀三(シンウンサン)・常任委員長は、「南北宣言では未来が見えた。今度は目標が見えてきた」と言う。

 今年秋、韓国民団と朝鮮総連の両本部が、初めての合同囲碁大会を開く予定。文・国際部長は、和解を機に「ソフトボール大会や朝鮮学校の運動会などに韓国民団を招きたい」と意気込んでいる。

 一方、拉致被害者の家族やその支援者は、トップ会談を複雑な思いで受け止めている。1978年に拉致された川口市出身の田口八重子さん(当時22歳)の兄、飯塚繁雄さん(67)は、「今後は朝鮮総連を通じ、北朝鮮に拉致問題の早期解決を促すメッセージが伝わってほしい」と期待を寄せつつも、「(和解が)韓国の北朝鮮へのすり寄り政策を受けたものなら、逆の結果にもなりかねない」との懸念を示した。

 横田めぐみさんの父、滋さんの訪韓にあたり、韓国の李鍾■(イジョンソク)統一相が「面会の必要性があるとは考えていない」と発言したことで、被害者家族には「韓国が協力的ではないという印象を受けた」(飯塚さん)との思いもある。

 4月の拉致問題地方議会全国協議会の設立会議では、横田滋さんが韓国の地方議会との連携を求めた。協議会会長を務める県議の深井明氏は「6月定例県議会の終了後に、協議会の幹事会を予定しており、韓国の地方議会との連携を前向きに検討する」と話した。
(2006年5月18日 読売新聞)
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