『手ぶら帰りも覚悟を』ヒル氏、北に怒り | trycomp2のブログ
【北京=小栗康之】米国政府は十一日、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議が難航していることに対し失望感を深めている。金融制裁での譲歩やベルリンでの事前交渉などで今回の協議に自信を持って臨んだ米国だったが、北朝鮮がエネルギー支援などで強硬姿勢をみせるなど、シナリオは大きく狂った。
「手ぶらで帰ることも覚悟した方がいい」
協議筋によると、米首席代表を務めるヒル国務次官補は十一日午後、北朝鮮首席代表の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官に対し、こう声を荒らげたという。
ヒル次官補は今回の協議について「警戒しつつも楽観視している」とたびたび発言。合意に向け今度こそ、との思いが強かった。米側は、北朝鮮が求めた金融制裁解除に対しても柔軟な姿勢を示した。一月に行ったベルリンでの米朝首席代表会議ではエネルギー支援を見返りに寧辺(ニョンビョン)の核関連施設の閉鎖などで一定の合意ができたのではないかとの見方もあり、米朝の「協調ムード」で協議は順調に進むかのようにみえた。
ところが九日以降、ムードは大きく変わった。北朝鮮は電力二百万キロワットに相当する大規模エネルギー支援などを要求し、ベルリンでの構図は崩れてしまった。この日のヒル氏の怒りもここに原因がある。ロシア首席代表のロシュコフ外務次官はベルリンでの「合意」について、米朝双方が異なる解釈をしているのではないかとの認識を示した。
米国の一部メディアは、核関連施設の閉鎖などで合意できれば、ブッシュ大統領が公表する準備もあったと報道。米政府高官はこれを否定したが、厳しい状況に米代表団の顔色はさえない。
ヒル氏は十一日夜、表情をこわばらせながら、「われわれが関心を持っているのはエネルギー問題ではなく、朝鮮半島の非核化だ」と語り、エネルギー支援ばかりにこだわる北朝鮮の態度を厳しく批判した。

