「過去清算」も協議 対北、拉致解決へ“誘い水”
6カ国協議の日朝国交正常化作業部会が5、6両日にモンゴルで開かれる。両政府は8月末に中国で非公式に接触、作業部会の下に拉致問題と、「過去の清算」問題に関する分科会を設ける案などを話し合った。拉致問題解決への糸口を探る日本が“誘い水”としたのが、植民地支配に対する補償問題など「過去の清算」だが、拉致問題での膠着(こうちゃく)状態を打開できるかは、なお未知数だ。
8月25日、作業部会の北朝鮮代表を務める宋日昊・朝日国交正常化担当大使が中国入りした。日朝協議筋によると、宋氏は29日までの同国滞在中、日本側と連絡を取り、作業部会の5、6両日開催が決まった。
同筋は「この過程で、日本側は拉致と過去の清算を並行して扱う分科会設置などを提案し、北朝鮮側も前向きな態度を示した」という。「北朝鮮が拉致被害者の再調査に応じる姿勢をみせた」との情報もある。
ハノイで今年3月に開かれた作業部会は非難の応酬に終わった。日本政府が北朝鮮を協議に引き寄せる「カギ」とみたのが、1兆円にのぼるとされる戦後賠償問題だ。
麻生太郎前外相は8月2日の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)で、「日朝関係を進展させるため、拉致問題とともに、北朝鮮が強い関心を有している不幸な過去の清算に積極的に取り組む」と発言した。
唐突感もあったが、麻生氏は7月末、外務省幹部に「向こうも準備してくる。こちらも準備しなくてはだめだ」と指示している。
28日には安倍晋三首相も同問題に言及。宋氏は「首相は初めて『過去の清算』に言及した」と肯定的な評価を示した。
外務省幹部は「北朝鮮側に『拉致問題で再調査する』程度のことは言わせたい。そうなれば、水害支援に応じてもよい」と、作業部会の進展に期待を示す。ただ、「戦後賠償カード」を切ったことで、両国の協議が北朝鮮のペースで進む可能性が出てきたともいえる。
「「過去清算」も協議 対北、拉致解決へ“誘い水”」事件です‐事件ニュース:イザ!